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自律神経失調症で処方される薬の効果とは〜自律神経失調症の原因ともなるストレスを減らす〜

自律神経失調症で処方される薬の効果とは〜自律神経失調症の原因ともなるストレスを減らす〜
功刀 浩 先生

帝京大学医学部精神神経科学講座 帝京大学医学部附属病院 メンタルヘルス科 教授

功刀 浩 先生

目次
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自律神経失調症とは、ストレスやホルモンの乱れなどを原因に自律神経のバランスが崩れ、さまざまな症状が現れる病気です。医学的に正式な病名ではありませんが、検査をしても問題となる点がなく自律神経の乱れが原因と考えられる症状が現れると、この診断がつくことがあります。しかし、自律神経失調症は薬による治療や行動療法、生活習慣を整えることなどによって改善が期待できます。

なかでも本記事は、自律神経失調症で使われる治療薬や、治すために注意すべき生活習慣などについて解説します。

自律神経失調症では、まず症状を和らげるための治療(対症療法)が行われます。自律神経失調症の症状は多岐にわたりますが、代表的な症状は以下のとおりです。

自律神経失調症の主な症状

  • 体がだるい
  • 眠れない
  • 休んでも疲れが取れない
  • 頭痛
  • 動悸や息切れ
  • めまい・立ちくらみ
  • 肩凝りや腰痛
  • 食欲不振
  • 便秘・下痢
  • 冷え性
  • 不安・抑うつ状態
  • 精神的な不安定

など

上記症状を和らげるためには薬を服用することで肉体的・精神的な苦痛が少なくなり、自律神経失調症の原因ともなるストレスを減らす効果が期待できます。

また、自律神経失調症の治療では、自律神経に直接はたらきかける自律神経調整薬や漢方薬、自律神経の乱れに関係のあるホルモンバランスを整えるためのホルモン剤などが処方されることもあります。さらに、患者によっては、原因となるストレス・心の状態・睡眠を整えるために、抗うつ剤・抗不安薬・睡眠薬などが処方されることもあります。

自律神経失調症は、薬物療法だけで治すことは困難です。なぜなら、自律神経が乱れる要因となるストレスを軽減し、ホルモンバランスの変化などを改善しない限り、根本的な解決には至らないためです。したがって、自律神経失調症では薬物療法と併せて行動療法や精神療法、生活習慣の改善やストレスのコントロールを行う必要があります。

自律神経失調症の行動療法では、医師や専門家の指導に基づき、主に睡眠の周期を整え、質のよい睡眠が取れるようになることを目指します。また、精神療法では、精神的な症状が強い人などに対しカウンセリングを行います。

自律神経を整えるためには、リズムの整った生活を送る必要があります。具体的に夜間は深い睡眠をとって疲れをとる、昼は活発な身体活動をとるなど、メリハリのある活動周期で生活するようにします。このように寝る時間や起きる時間、食事を取る時間などを一定にすることにより、自律神経が整いやすくなります。

また、運動不足は血の巡りが悪くなり、自律神経やホルモンのバランスが乱れやすくなるため適度な運動習慣も大切です。運動はストレスの発散や良質な睡眠の確保にもなるため、積極的に取り入れましょう。

これらの生活習慣を心がけることで、肉体的にも精神的にも健康に近づき、多少のストレスであれば柔軟に対応できるようになるといわれています。

ストレスは自律神経失調症の大きな原因の1つです。ストレスの原因となっている環境を改善し、ストレスを遠ざけることはもちろんですが、それが難しい場合でも自分なりのストレス解消方法を身につけ、ストレスをためすぎないよう気をつけましょう。

人間はリラックスしたり楽しいと感じたりして心の充実感を得られるときにストレスが解消すると考えられています。そのため、散歩などで体を動かしたり、入浴やアロマセラピーなどで気分転換をしたり、家族や友人とだんらんを楽しんだり、さまざまな手段を用いて上手くストレスを手懐けることを心がけましょう。また、インターネットやゲームなどに過度の時間を費やすことはやめるようにしましょう。

自律神経失調症”という病名は精神科以外の医師が精神科的な病気である場合に用いることがよくあり、精神科では軽度のうつ病、不安症(不安障害)と診断されるケースが少なくありません。重度にならないうちはかかりつけ医に相談して適切な治療を受けるようにしましょう。放っておくと重度のうつ病や神経症に至る可能性もあります。実際、重症化した場合には精神科や心療内科への受診がすすめられます。

自律神経失調症の治療では薬物療法だけで治すことは難しく、行動療法や精神療法のほか、患者本人の生活習慣の改善やストレスコントロールなど総合的な治療を継続する必要があります。そのため、これを機に生活習慣やストレスとの付き合い方を見直すとよいでしょう。治療に関して気になることや不安なことがあれば1人で悩まずに医師に相談することを検討しましょう。

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