症状
薬毒物中毒の症状は、原因となる薬毒物の種類と摂取量によってさまざまです。
急性薬毒物中毒の場合
重症の急性薬毒物中毒では意識障害、けいれんなどの重篤な症状が引き起こされることがあり、中には命に関わるケースもあります。
意識状態を悪くする作用のある薬毒物や筋肉の緊張を緩める作用がある薬毒物が原因の場合には、胃の内容物が逆流して誤嚥を引き起こし、窒息や誤嚥性肺炎などのリスクが高まります。さらに、薬毒物によっては低血圧によるショック状態や異常な高血圧、不整脈などが引き起こされる可能性もあります。
そのほか、けいれん、手指の震え、吐き気・嘔吐、動悸、めまい、視野の異常といった幅広い症状が引き起こされます。どんな薬毒物による中毒症状かによって症状に幅があり、一括りに急性薬毒物中毒といっても症状から原因を推定することは困難です。
慢性薬毒物中毒の場合
違法薬物などによる慢性中毒では、幻覚や妄想状態を主な症状とする精神病性障害や、認知障害のほか、さまざまな臓器障害なども引き起こされます。また不眠や不安感、何をしてもやる気がみられない“無動機症候群”や人格の変化などがみられる場合もあり、社会生活に影響を及ぼすことも少なくありません。
これらの違法薬物による慢性中毒の症状は原因薬物の使用を中断しても改善されず、慢性的に中毒症状が続くといわれています。また、原因薬物の摂取中止後に症状が悪化したり、精神症状が後遺症として生じたりするケースもみられるため、経過を注意深く観察することが重要です。
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