治療
門脈圧亢進症では、門脈圧の上昇を引き起こした病気に対する治療が必要です。なかでも肝硬変が原因となることが多いので、肝硬変の予防的な観点も重要です。その他には、門脈圧亢進に対する薬物治療としてβ遮断薬・バソプレシン・亜硝酸薬・オクトレオチド酢酸塩などの薬剤を用いることがあります。
また、門脈圧亢進症では、胃食道静脈瘤に対しての治療も重要です。内視鏡的治療により、結紮術や硬化療法等とよばれる方法で静脈瘤に対しての治療アプローチを取ります。また、カテーテル治療、手術療法(食道離断術、Hassab手術)を取ることもあります。門脈圧亢進症では、腹水を軽減させるための治療も行われます。具体的には、塩分制限やスピロノラクトン、フロセミドなどの利尿剤の投与が治療の基本です。また、アルブミンを体外から補正することもあります。こうした治療が奏功しない場合には、腹水穿刺や「経頸静脈的肝内門脈肝静脈短絡術(TIPS)」、「腹膜・頚静脈シャント」、「腹水濾過濃縮再静注」などの適応を考慮します。
門脈圧亢進症では、肝性脳症に対しての治療も必要となることがあります。タンパク摂取量の制限に加え、「ラクツロース」という薬剤の投与、および腸管を浄化するために抗菌薬や、「分枝鎖アミノ酸」の投与を行います。さらに、秘機能亢進症に対する治療アプローチとして、脾臓に栄養を供給する動脈の一部を血管内治療で塞栓する治療法や、外科的に脾臓を摘出する方法がとられることがあります。
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