治療
まず、血清ナトリウム濃度を正常範囲に低下させるために水分の補充が行われます。状況に応じて、水分を経口摂取し、飲水が困難な場合は鼻から胃へチューブを挿入して白湯を注入するか、5%ブドウ糖液や1/4生理食塩水などを点滴静脈注射する場合があります。
高ナトリウム血症の多くが、2日以上経過した慢性の状態であり、この場合は急激に血清ナトリウム濃度を低下させることで脳浮腫*や肺水腫**を招く可能性があるため、こまめに血液検査を行いながら緩やかに血清ナトリウム濃度を低下させます。
また、著しい低血圧や脱水を伴っている場合は、生理食塩水などによる細胞外液の補充を同時に行い、反対に完全に尿が出ない腎不全を合併している場合には、透析で血清ナトリウム濃度を低下させる方法をとることもあります。高ナトリウム血症の原因検索で、後に尿崩症が診断された場合には、腎臓での多尿による水分喪失を防ぐための抗利尿ホルモン補充療法を含む対症療法が行われます。
*脳浮腫:脳細胞内に水分が過剰にたまった状態で、命に関わる可能性がある。
**肺水腫:肺に水分がたまる状態で、重症化すると呼吸不全になる可能性がある。
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