おうしょくしゅしょう

黄色腫症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

黄色腫症とは、皮膚に脂肪成分が蓄積することで皮膚に見た目の変化を生じる状態です。黄色腫症で見られる皮膚の変化は、マクロファージと呼ばれる免疫細胞の中に多くの脂肪が入り込み、それが皮膚に集まることで生じます。黄色腫症は脂質代謝の異常を原因として発症することがありますが、脂質代謝の異常が同定できない場合でも生じることがあります。

原因

黄色腫症は、中性脂肪やコレステロールなどといった脂質の代謝異常を原因として発症することがあります。脂質代謝異常と関連して発症する黄色腫症の場合、糖尿病などの疾患を合併していることもあり、相互が関連しあいながら動脈硬化の増悪進展に寄与する可能性もあります。その結果として、心筋梗塞を代表とする動脈硬化と関連性が深い病気を発症することもあります。

脂質代謝の異常を原因として発症することがある黄色腫症ですが、脂質異常症の原因はさまざまです。生活習慣に関連して発症することもあれば、遺伝子レベルの異常をもとにして脂質代謝に異常が生じることもあります。その他、甲状腺機能低下症ネフローゼ症候群などの全身疾患と関連して脂質異常症が生じることもあります。

ただし、脂質代謝の異常が同定できない場合でも黄色腫症を生じることがあります。

症状

黄色腫症では、皮膚にそれとわかる見た目の変化が生じます。基礎にある脂質代謝の異常などに応じて、全身どの部位にどのような皮膚変化が生じるかは異なります。

黄色腫症のなかには、眼瞼黄色腫と言って、目元に小さな盛り上がりを示す皮膚病変を生じることがあります。左右対称に出現することもあり、皮膚にやや黄色がかった色調変化を来します。

また、肘や膝、踵などに結節状に塊が形成されることもあります。この場合は目の周辺に生じる皮膚変化と比べるとやや硬く、色調も赤みが強くなることがあります。その他、アキレス腱などの腱が太くなるタイプの黄色腫もあり、皮膚に盛り上がりが生じます。

検査・診断

黄色腫症は脂質代謝の異常と関連していることがあるため、血液検査にて脂質の評価を行います。また、糖尿病甲状腺疾患、腎疾患などの合併をみることもあるため、こうした疾患が隠れていないかどうかの検査(血液検査や尿検査)も同時に行います。

黄色腫症では、その他の皮膚疾患との鑑別を行うために、皮膚の一部を採取して顕微鏡で検索をする病理検査を行うこともあります。

治療

黄色腫症は、脂質代謝の異常と関連して発症することがあります。この場合には、運動療法や食事療法、内服薬の使用(スタチン、エゼチミブや陰イオン交換樹脂など)といった治療介入を行い、脂質代謝の是正を図ります。治療薬は数多く存在するため、それぞれの患者さんが抱える問題にあわせて適切なものを選択する必要があります。

また、黄色腫症では、部位に応じて手術で病変部位を切除したり、レーザーを用いて治療をしたりすることもあります。ただし、目元のものに対してはひきつれを起こしてしまい、審美的に悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

黄色腫症では、美容的な問題に加えて代謝系の異常を抱えることもあります。心筋梗塞などといった重篤な合併症を続発することもあるため、黄色腫症を疑わせる病変がある際には、医療機関を受診して診察を受けることが大切です。

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