しーがたきゅうせいかんえん

C型急性肝炎

最終更新日:
2024年12月12日
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2024/12/12
更新しました
2018/07/19
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概要

C型急性肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)への感染によって肝臓に炎症が生じる病気です。ウイルスに感染後2~14週間程度(場合によっては6か月まで)の潜伏期間を経て、肝臓に急激な炎症を引き起こします。

C型急性肝炎を発症すると発熱、食欲不振、倦怠感、吐き気・嘔吐、黄疸(おうだん)(皮膚や白目が黄色くなること)といった症状を引き起こしますが、重症化するケースは多くありません。しかし、60~80%の人はC型慢性肝炎に移行し、時間が経過すると肝硬変肝がんの発症リスクが高くなるため注意が必要です。

原因

C型肝炎ウイルスに感染することで発症します。ウイルスが含まれた感染者の血液や体液を介して感染が広がるため、傷口に感染者の血液が付着したり、カミソリなど血液が付着するものを共有したりすることで感染する可能性があります。また、入れ墨やピアスの穴開けに使用する機器の不適切な使い回しも、C型肝炎ウイルスに感染する原因となるため注意が必要です。

そのほか、感染者との性行為による感染、母親が感染者の場合に出産時に子どもへ感染するケースも報告されています。

C型肝炎の存在が知られていなかった時代には、輸血にC型肝炎ウイルスが混入した血液や血液製剤が使用されたことで感染が拡大したことがあります。現在では献血の際にC型肝炎ウイルスが混入しているかどうか確認されており、輸血によって感染することはほとんどありません。

症状

C型肝炎ウイルスに感染後2~14週間程度の潜伏期間を経て発症します。C型急性肝炎を発症すると、発熱や食欲低下、倦怠感、関節痛などの全身的な症状のほか、吐き気・嘔吐、腹痛、褐色尿(色が濃い尿)、黄疸といった症状がみられるようになります。

ただし、C型肝炎ウイルスに感染しても急性肝炎の症状が現れるのは20%程度であり、残りの約80%には目立った症状が現れません。しかし、C型肝炎ウイルスに感染すると症状の有無にかかわらず60~80%は体内にウイルスが残り続け、長い間肝臓に弱い炎症を引き起こす“C型慢性肝炎”に移行するといわれています。C型慢性肝炎を発症した患者の約30~40%が、数十年かけて肝硬変肝がんを発症するとされています。

検査・診断

C型急性肝炎では血液検査を行います。C型肝炎ウイルスに感染すると、体内ではウイルスに反応して抗体が作られるため、血液検査で抗体の有無を測定して、感染経験を確認します。血液検査の抗体が陽性だった場合は、C型肝炎ウイルスの感染が過去のものか、現在生じているものかを判定するために、C型肝炎ウイルスの遺伝子であるHCV-RNAを確認することもあります。

C型急性肝炎は肝障害や黄疸を引き起こす病気のため、併せて血液検査でALTやASTなどの肝機能項目や、黄疸の原因物質であるビリルビンの血中濃度も測定します。

そのほか、ほかの肝臓の病気との鑑別や、肝臓の状態を評価するために超音波、CT、MRIなどの画像検査を行うこともあります。

治療

C型急性肝炎は、ある程度の割合で自然回復が期待できます。しかし、60~80%近くはウイルスが体内に残り続けて慢性化するため、急性期を経過し遷延化、慢性化した時点でウイルスを体内から排除するために抗ウイルス薬(DAA: Direct Acting Antivirals)を用いた治療を行います。

予防

C型肝炎ウイルスに対する有効なワクチンは開発されていないため、感染を予防するには感染の原因となる行為を避けることが大切です。

具体的には、他者の血液に素手で触れない、血液が付着する可能性があるものを使い回さない、不特定多数との性行為を避ける、正しくコンドームを使用する、などが挙げられます。

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