検査・診断
幼児期の脚の変形や歩行の遅れなどからくる病が疑われると、発症原因によらず次のような検査が行われます。
X線検査
FGF23関連低リン血症性くる病に限らずビタミンDの不足によるくる病であっても、骨端線閉鎖前の小児の症例では下肢のX線検査を行うとO脚/X脚様変形が見られ、骨頭の辺縁部に毛羽立ちのようなものが目立つなど特徴的な変化が描出されます。
このため、くる病が疑われた場合は原因にかかわらず脚のX線検査が行われます。
血液検査
くる病・骨軟化症が疑われた場合、一般的には血液中のリンやカルシウム濃度、活性型ビタミンD濃度、カルシウム、リンの代謝をつかさどるインタクトPTHと呼ばれるホルモン濃度、尿素窒素やクレアチニンなど腎機能を示す指標、骨の状態を示すアルカリフォスファターゼ、および骨型アルカリホスファターゼなどの測定が行われます。これらの検査結果は原発性くる病・骨軟化症の診断のために必要であるばかりでなく、そのほかのくる病・骨軟化症の原因を特定するための判断材料ともなります。
これらの検査結果や家族歴なども含めてFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症が疑われる場合は、さらに次のような検査が行われます。
血液検査
持続する低リン血症が認められた場合には、その原因を明らかとするために血中のFGF23を測定します。低リン血症が存在するうえでFGF23が30 pg/mL以上であった場合にFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の診断となります。
尿検査
この病気になると尿中のリンとカルシウムが増えるため、診断の手がかりのひとつとして尿中のリン、カルシウム、クレアチニン濃度を調べることがあります。この尿検査と血液検査の結果を利用して尿細管でのリンの最大再吸収率を示すTmP/GFRを計算することができます。FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症ではTmP/GFRが低値となります。
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