屋島総合病院は、1946年に香川県高松市に開設された総合病院です。2016年に新病院へ移転し、救急を含む急性期医療から回復期、訪問看護と幅広く医療を提供しています。
地域を支える医療機関として、屋島総合病院はどのような取り組みを行っているのでしょうか。院長である安藤健夫先生にお話を伺いました。
屋島総合病院は、JA香川県厚生連を母体とする病院のひとつです。当院が位置する香川県高松市は、人口増加が続いていたものの、2015年ごろから徐々に人口減少に転じ始めています。
今後、人口減少と高齢化がさらに進んでいくことが予測される当地域において、さまざまなニーズに対応できるよう体制を整えています。
当院の特徴は、急性期から回復期、在宅まで一貫した医療を提供できるところにあります。院内では、高度な管理を必要とする患者さんをみるためのHCUから、一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟まで整備し、患者さんの在宅復帰をサポートしています。
在宅に移行したあとは、訪問看護ステーションを利用して支援を受けることも可能です。地域医療を担う医療機関として、ほかの医療機関や介護施設などとも連携しながら、地域の皆さんを支えていきたいと考えています。
当院では、2011年1月に屋島関節外科センターを創設しました。このセンターはスポーツ医学センターと人工関節センターの2つの部門から成り立っており、スポーツを職業とする方や運動を頻繁に行う方から、運動をしない方まで、早期に復帰できるよう体への負担を考えた治療を行っていることが特徴です。
人工関節やスポーツ医学に関して特に力を入れているため、地域の内外から患者さんが来院されます。当院では、早い段階から運動許可を出すこともあり、患者さんがより早期に復帰できるよう尽力しています。
2016年に新病院になった際、クリーンルームを2つ作りました。清潔度を考慮した手術室なので、ここでは感染に弱い人工関節や軟骨の移植などの手術が行われています。
国内の症例が少なかったり、実施が難しかったりする手術に関しては、アメリカに医師を派遣して技術を習得してもらっています。近年では、国内で肩の人工関節が使用できるようになり、その導入の際にアメリカで学んできた医師によって、すぐに手術ができる体制を整えました。
肩の腱板が切れて腕が上がらなかったり、脱臼したまま見逃されて元に戻っていなかったりする方もいますが、そうした場合には、人工関節の使用が効果的な治療のひとつだと考えています。このように、新しい技術や難しい手技であっても貪欲に学び、積極的に取り入れる心構えで診療に努めています。
整形外科は、市民公開講座を年に2回開催しています。毎回、地域の方に楽しんで学んでいただけるように、内容をしっかりと考えています。中には、講演の内容を聞いて、当院を受診される方もいらっしゃいます。整形外科に関することで、困っている方や悩んでいる方がいれば、ぜひ当院を受診していただければと思います。
私には「当院の各診療科における得意分野を、地域の方が把握されていないのではないか?」という疑問がありました。そのため、2018年4月から各診療科についての講演会を院内で月に1回行うようにしました。ここでは、各診療科でどのような治療が行われているのかを説明し、活発な質疑応答も行っています。もし、各診療科の実施する医療に沿う悩みごとがあれば、この講演会が当院を受診するきっかけになればありがたいと思っています。
大学病院など大きな病院はほかにもありますが、地域の病院として、同様に頼りがいのある病院でありたいと思っています。そのために、たえまなく進歩していく医療に対し常にアンテナを張り、再生医療の提供や必要な技術の習得など、当院も常に進化していかなくてはならないと思っています。
医師は常に技術を磨き、地域の皆さまに貢献していくという強い気持ちを持っています。何かあれば、ぜひご相談いただければと思います。
屋島総合病院 病院長 スポーツ医学センター長
安藤 健夫 先生の所属医療機関
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。