腕がだるい:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
熊本回生会病院 院長補佐
中村 英一 先生【監修】
スポーツなどで、よく腕を動かしたときなどにだるいと感じることは誰しもありますが、原因や伴う症状によっては注意が必要なこともあります。
このような症状がみられる場合、考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
腕がだるいとき、次のような病気が考えられます。
腕のだるさの原因となるのは、主に関節や神経の病気です。
手や手首の感覚をつかさどる神経に異常が起き、手が動かない、しびれなどの症状が出る病気です。飲酒して眠った場合に発症することが多いのでサタデーナイト症候群と呼ばれたり、腕枕が原因となることもあるのでハネムーン症候群といわれることもあります。
手首を上にあげられない、指をまっすぐに伸ばせないといった症状を伴うこともあります。
首の骨は、頚椎という骨がいくつも連なってできています。この骨と骨の間にある椎間板が、加齢などによってクッションの役割を果たせなくなり、骨の変形などが起こり、上肢にいく神経を圧迫することにより、上肢や首の痛みが出る状態のことを頚椎症性神経根症といいます。
腕が痛む、しびれる、背中に痛みがある、肩がこるなどといった症状のほか、進行すると頚椎症性脊髄症となり、神経根がでる脊髄を圧迫するようになり、上肢の症状のほかに下肢のしびれや運動麻痺、排尿障害といった症状が出ることがあります。
首から出た神経は腕神経叢という神経の束となり、腕へと続いていきます。この腕へつながる神経が通るスペースには太い血管、筋肉、骨が密集しているため、体格や生まれつきの構造によっては神経が刺激されてしまい、首・肩・腕の痛みやしびれ、だるさが起こることがあります。この状態を胸郭出口症候群といいます。
胸郭出口症候群には鎖骨の辺りが狭くなって神経・血管が圧迫されて起こるタイプと、なで肩体型のために腕にいく神経が下の方に引っ張られて起こるタイプがあります。
パソコンをよく使う、デスクワークをしている人などに多くみられる、首や肩・腕などの痛み、だるさ、しびれなどの症状の総称です。一度治っても、作業を再開すると再発しやすいともいわれています。
腕のだるさがいつまでもとれないような場合、痛みやしびれを伴うような場合には一度、整形外科へ受診しましょう。
医師には、いつから腕のだるさがあるのか、ほかにはどんな症状がいつからあるのか、動かす動作に問題があるかどうかなど、できるだけ詳しく伝えることがポイントです。
日常生活に原因があり、腕がだるくなることもあります。
PCやスマホの使いすぎも腕をだるくする一因です。毎日の生活の中で、PCやスマホに向かう時間が多い人は注意が必要です。
1時間作業をしたら必ず休憩を入れるなどして、腕の筋肉を休める時間を作るようにしましょう。軽くストレッチをしたり、伸びをするなどして首周りや肩の筋肉をほぐすことも大切です。
姿勢が悪いと首の神経が圧迫され、腕のだるさ、しびれなどが起こることもあります。
歩くときには、土踏まずと耳を結ぶラインが一直線になり、手が太ももの真横にくるように意識しましょう。
座って作業をする際には、肩甲骨をやや寄せるようにして、背中が丸くならないように気をつけましょう。椅子には、やや浅めに腰掛けて背筋を伸ばすように心がけましょう。
日常生活の中でできることを行なってみても症状がよくならない場合には、思いもよらない原因が潜んでいることもあります。一度、整形外科で相談してみましょう。