二の腕が痛い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
重い荷物をたくさん運んだときやスポーツのあと、けがをしたときなどに二の腕に痛みを感じることもあるかもしれません。
このような症状がみられた場合、原因として考えられることにはどのようなものがあるでしょうか。
腕の感覚にかかわる神経が押されて、痛みやしびれが起こることがあります。また、腕そのものの筋肉・神経・血管などの病気でも痛みが起こります。
これらの病気では、首あたりの脊髄や、脊髄に近い神経が押され、痛みが起こります。首の向きによって骨のすき間の広さが変わるため、痛み・しびれの程度も変わります。
パソコンを使う仕事などで、タイピング操作など同じ動作を繰り返すことにより、首・肩・腕のコリ、痛み、しびれ、筋力低下などが起こる状態です。目の疲れ、乾き、視力低下なども起こることがあります。
脊髄から出た神経が腕に向かう経路で締めつけられることで、神経のはたらきや血流が異常になり、腕をあげる際などにしびれや痛みが起こる状態です。
上腕二頭筋は力こぶを作る筋肉です。上腕二頭筋の腱のひとつは肩関節付近にくっついており、肩関節周囲炎(いわゆる四十肩、五十肩)で炎症を起こすことで、上腕から肘まで痛くなることがあります。これが上腕二頭筋長頭腱炎で、肩をあげたり、後ろに回したりすると痛みが強くなる傾向があります。
上腕二頭筋腱のひとつが、力を入れた拍子にちぎれてしまうこともあります。これが上腕二頭筋の長頭腱断裂で、力こぶが常にできているような状態になり、痛みと皮下出血が出ます。
上腕の後ろ側にある上腕三頭筋に炎症が起こるのが上腕三頭筋腱炎です。肘を伸ばす動きを繰り返す野球投手などに起こり、上腕後ろ側の痛みが起こります。
皮膚の病気でも、二の腕の痛みが起こります。特に二の腕に起こりやすいわけではありませんが、細菌が繁殖した蜂窩織炎や、ヘルペスウイルスが増殖して赤いできものを作る帯状疱疹では、腫れや痛みが起こります。
二の腕の痛みに気づいたら、まずは安静にし、痛みが起こる動作を避けるようにします。それでも改善しない、頻繁に繰り返すような場合などは、整形外科を受診しましょう。
腕の動かし方は仕事やスポーツによって異なるため、受診の際は、普段どのような手の使い方をしているか(力仕事、パソコン仕事など)、転倒やけががなかったかなどを医師に伝えるとよいでしょう。
日常生活上に原因がある場合、対策により、二の腕の痛みを予防・改善できることもあります。
無理な力をかけることや、同じ動作を繰り返すことは腕の負担になります。
自分の限界を超えた力仕事、繰り返しの投球動作、不安定な姿勢でのタイピングなどは避けましょう。定期的に休憩を取る、ストレッチをする、痛みを感じたら患部を冷やすといった対策を行いましょう。
二の腕の痛みが改善しない場合には、一度、整形外科の受診を検討しましょう。