インタビュー

性交後に強くなる腹痛 卵巣(黄体)出血の可能性も

性交後に強くなる腹痛 卵巣(黄体)出血の可能性も
堤 治 先生

山王病院(東京都) 名誉病院長

堤 治 先生

この記事の最終更新は2014年12月04日です。

性交後の女性に腹痛が起こり、休んでも楽になるどころか、少しずつ強くなることがあります。このような場合には卵巣出血の可能性を考える必要があります。多くの方にとっては聞きなれないであろうこの疾患はどのようなものなのでしょうか。山王病院院長 堤治先生にお話を伺いました。

卵巣出血とは、文字通り排卵によってできる卵巣の傷から出血する状態です。黄体という組織から出血することが多く、黄体出血とよばれることもあります。

排卵の様子

イラストに示したように、排卵のときには卵巣の表層の部分が破けます。破けるといっても小さな穴なので、通常出血はしませんし、したとしてもごく少量です。ただ、なんらかの原因でここからの出血が増えてしまうことがあるのです。性交後に腹痛を訴えて来院し診断される方が多いですが(そのため患者さんは20代の方に多いです)、特に誘因となるものがない方もいます。

血液が腹腔内に流れると腹膜を刺激するため、症状としては急激な下腹部痛の痛みが起こります。また出血量が多い場合には、貧血やショック症状などが起きる場合もあります。

若い女性が急激な下腹部の痛みを感じた場合、その原因として考えられる産婦人科の病気としては以下が挙げられます。

このうち、異所性妊娠は妊娠反応の有無で見分けることができます。妊娠反応が陰性で子宮内膜症もない女性には、卵巣出血が起きている可能性が高いのです。

卵巣出血は、多くの場合は腹腔内に出血しても自然に止血され、血液は吸収されるため、1週間程度の安静によって治まります。しかし、まれに出血がどんどん進行し治まらない場合があります。このケースでは、輸血が必要になったり、手術によって止血しなければならないこともあります。

このため、卵巣出血と診断された場合には「止血されているのかどうか」が重要なポイントになります。止血されたか否かは下記の項目を総合的に見て判断します。

・症状の程度改善傾向にあるのか/悪くなっているのか

・腹腔内に貯留している血液の程度超音波で確認します

貧血が進行していないか血液検査で確認します

これらをこまめに観察する必要があるため、卵巣出血と診断された場合は、手術不要な場合でもまずは短期的な入院により様子を見ることが多いです。自然に軽快していることがわかれば、1泊程度の経過観察で退院できる方もいます。

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