インタビュー

高齢出産とダウン症の関連

高齢出産とダウン症の関連
三井 真理 先生

国立成育医療研究センター 周産期・母子診療センター 不育診療科 医長

三井 真理 先生

この記事の最終更新は2015年12月07日です。

妊娠・出産を望むお母さんならば、授かったお子さんが健康であってほしいと望むのはごく自然なことでしょう。しかし、どんなにお母さんが健康であり、どんなに準備をしても、病気を持ったお子さんを授かることもあります。35歳以上の女性が妊娠後に、心配されることが多い病気として21番目の染色体が1本多いダウン症があげられます。ダウン症について正確な知識をもち理解しておくことは非常に大切です。この記事では、成育医療研究センターの三井真理先生にダウン症という病気、そして高齢妊娠との関連についてご説明いただきます。

正式名は「ダウン症候群」といい、最初の報告者であるイギリスのジョン・ラングドン・ダウン医師の名前に由来しています。ダウン症は染色体の病気です。人間は通常46の染色体を持っていますが、ダウン症の場合生まれつき21番の染色体を1つ多く持っているため「21トリソミー」とも呼ばれます。ダウン症以外にも染色体の病気は多数存在し、13番の染色体による「13トリソミー」、18番の染色体による「18トリソミー」などの病気があります。

「ダウン症」という名前が広く多くの方に認識されていることの理由は、21トリソミーのお子さんの場合、生きて産まれることが多いからです。「高齢出産」からダウン症が特によく連想されるのは、そのお子さんが生まれて、生きて成長していくことのできるケースが多いためなのです。

ダウン症の特性として、筋肉の緊張低下・特徴的顔貌・成長障害などが見られ全体的にゆっくり発達します。心疾患などを伴うことも多いのですが、最近では医療や療育、教育も進んでおり、多くのお子さんが学校生活や社会生活を送っています。

ダウン症は、染色体の病気です。21トリソミーを含む染色体の病気は、選ばれた卵がどのような状態かということに関係するため、年齢と関係があるといえます。高齢出産の本当のリスクを認識するためには、これについての理解が大切です。

卵巣年齢=自分の年齢と記事1(リンク)でも述べましたが、妊娠から出産までがんばれる卵子をできるだけリスクの少ない状態で受精させるためには、卵巣が若い状態で妊娠する必要があるということなのです。

現在ほんのわずかでも妊娠を考えている方は、この卵子の特性をよく理解して受け入れ、ぜひ妊娠や出産について今まで以上に真剣に考えてください。

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