今回お話をうかがった三井真理先生がお勤めの国立成育医療研究センターでは、35歳以上の初産婦が63パーセントにものぼります。これは、5年前の2010年と比較すると2倍以上に増加している傾向にあります。働く女性が増え、経済的にも家庭を支えることができるという利点がある半面、晩婚化や出産の遅れが生じるという問題も発生しています。高齢出産は、実際にどのようなリスクがあるのでしょうか。
高齢出産とは、統計学上または医学上、女性が35歳以上で子どもを出産することです。また日本産科婦人科学会によると、高齢初産とは35歳以上の初産婦(高齢出産・高年初産)と定義されています。1993年以前の定義では30歳以上の初産婦とされていましたが、30歳以上の初産婦が増えたことに加え、WHOをはじめとする諸外国でも同様の定義がなされているため、1991年頃から35歳に引き上げられました。
高齢出産が増加傾向にあることは明らかで、国立成育医療研究センターでの出産件数のうち、35歳以上の初産件数は現在63%にものぼります。さらに、40歳以上の初出産は20%以上です。5年前と比較すると、倍以上に増えているといっても過言ではありません。
高齢出産が増えていることの背景には、女性の社会進出が進んできていることが挙げられるでしょう。仕事中心の生活サイクルで過ごし、キャリアを求めてバリバリ仕事をしてきた女性たちが、「ちょっと落ち着いてきたから今…」と出産を考える年齢が、高齢出産と定義されている年代にあたります。「自分で生計を立て、やるべき仕事をある程度終わらせてから子どもを」と考える女性が増えている反面、女性の出産にはどうしてもタイムリミットがあるために、そのリスクを抱える可能性も増えてしまうという現状なのです。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/13b.pdf
厚生労働省『平成25年度版働く女性の実情』より
国立成育医療研究センター 周産期・母子診療センター 不育診療科 医長
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