インタビュー

心臓リハビリテーションは在宅運動療法こそ重要

心臓リハビリテーションは在宅運動療法こそ重要
後藤 葉一 先生

国立循環器病研究センター 循環器病リハビリテーション部 部長 (心臓血管内科併任)

後藤 葉一 先生

この記事の最終更新は2016年03月30日です。

心臓リハビリテーションは継続してこそ、初めて効果が生まれます。そのためには、在宅での日常生活において、いかに医師の指示通りの運動習慣・生活習慣を実践できるかが、効果のカギを握ります。ここでは、「安全に」「有効に」「長く継続」するためのポイントを、国立循環器病研究センター循環器病リハビリテーション部・心臓血管内科部長後藤葉一先生にご紹介頂きます。

心臓リハビリテーションで最も大事なことは「継続すること」です。入院時のリハビリテーションの効果はあくまで短期的で限られたものです。退院後の「通院リハビリテーション」、さらにはプログラム終了後の「在宅リハビリテーション」をどれだけ「長期間」しっかりと続けられるかどうか。これが再発予防や、予後の順調な生活にはっきりとした違いをもたらすのです。

医師から指示された運動処方をもとに運動習慣を身につけ、患者教育で学んだ再発予防の食事内容や生活習慣を自ら実践できる患者さんであれば問題はないのです。しかし、人間誰しも今までの習慣を変えるというのは、そう簡単なことではありません。

ですから当センターではリハビリテーションプログラム終了時の個人面談にはご家族にも同席頂いております。それは、在宅リハビリ時にはご家族からの励ましやサポートが大変重要であると考えているからなのです。ご家族によるケアを受けながら、リハビリテーションを続けてもらい、再発を防ぐ。これが私の強調したいポイントでもあります。

在宅運動療法のキーワードは「安全に」「有効に」「長く継続する」です。以下に注意点である10カ条をお伝えします。

  • 運動の種類は、早足歩行(さっさと歩く)・自転車漕ぎ・体操などがよいでしょう。

  • 運動の強さは、最大能力の40~60%で行いましょう。

  • 1日の運動時間は30~60分にしましょう。

  • 運動回数は週3~7回が目安で、週2回以下では不足です。

  • 自己検脈(自分で脈拍を取ること)を覚えて、適切な脈拍で運動しましょう。

  • 60歳を過ぎたらジャンプは禁物で、ジョギングより歩行が安全です。

  • 必ず始めに準備運動を行い、終わりに整理運動を行いましょう。

  • 食事直後や起床直後の運動は避け、1時間以上空けてから行いましょう。

  • 夏は脱水に十分注意し水分補給を行い、冬は防寒を心がけましょう。

  • 前日の疲れが残っていたり、体調不良がある場合などは無理せず休みましょう。

以上を守って頂きながら、継続してリハビリテーションを行うことで、その効果を身をもって実感して頂くことができるでしょう。

受診について相談する
  • 国立循環器病研究センター 循環器病リハビリテーション部 部長 (心臓血管内科併任)

    後藤 葉一 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。