インタビュー

2次予防のための心臓リハビリテーション

2次予防のための心臓リハビリテーション
後藤 葉一 先生

国立循環器病研究センター 循環器病リハビリテーション部 部長 (心臓血管内科併任)

後藤 葉一 先生

この記事の最終更新は2016年03月28日です。

単にスムーズな社会復帰につなげるだけが心臓リハビリテーションの目的ではありません。心臓リハビリテーションは急性心筋梗塞の再発のリスクを減らす効果が明らかになっており、2次予防(再発予防)のために欠かせない治療となっています。ここでは国立循環器病研究センター循環器病リハビリテーション部・心臓血管内科部長後藤葉一先生に心臓リハビリテーションの効果についてお話し頂きました。

「退院前に普通に歩けるようになっているのであれば、退院後の心臓リハビリテーションは不要ではないのか」そのようにおっしゃる患者さんもおられます。

関東地方の17の病院で、急性心筋梗塞で退院した患者さんの退院後の約4年間の状況を調べたところ、約33%の方が何らかの心臓病で亡くなるか再入院しているという結果が明らかになりました。厚生労働省、消防庁、そして各医療機関が循環器の救急医療体制の充実にも取り組んできた結果、急性期については治療成績がよくなっているものの、長期の予後を見ると改善されておらず、むしろ2次予防が大きな課題として残されています。

心臓リハビリテーションは、かつては弱った足腰を鍛えて退院し、社会復帰を実現することが目的だったわけですが、現在では退院後、外来で継続してリハビリテーションを行うことで再発を予防することへと、心臓リハビリテーションの目的が変わっているのです。

米国の統計で、冠動脈カテーテル治療後に外来で心臓リハビリテーションに参加した人と、参加しなかった人で比べたところ、参加した人の死亡率が46%も低下したという研究結果が出ています。

また、日本においては私たちの研究班で、外来で心臓リハビリテーションを確実に実施した群、部分的に実施した群、不参加群で分けたところ、確実に実施した群が最も無事故の生存率が高く、部分的実施群、不参加群の順に低くなっていくことが明らかになりました。

効果が認められた結果、日本においては「急性心筋梗塞」「慢性心不全」「心血管疾患リハビリテーション」のガイドラインにおいて、心臓リハビリテーションはそれぞれでClassⅠ(強い推奨)に位置づけられています。

またAHA(アメリカ心臓協会)の2次予防ガイドラインでは、すべてのACS(急性心筋梗塞・不安定狭心症)、PCI(心臓カテーテル治療)、CABG(心臓バイパス手術)のすべての患者さんについて外来での心臓リハビリテーションプログラムへの参加を薦めるということが記述されています。

なお、心臓リハビリテーションの対象疾患は、急性心筋梗塞のほか狭心症、開心術後(人工心肺を使用し、心臓内部の操作が必要なために心臓を止めて行なう手術)、大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)、慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患であり、保険適用されています。

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