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インタビュー

心臓リハビリテーションの実際

心臓リハビリテーションの実際
後藤 葉一 先生

国立循環器病研究センター 循環器病リハビリテーション部 部長 (心臓血管内科併任)

後藤 葉一 先生

心臓リハビリテーションは、「運動療法」「患者教育」「コンサルティング(個人面談)」の3つに分けられます。退院後は外来リハビリテーションに通院し、3~5カ月間のプログラム終了後は在宅でリハビリを続けていく必要があります。ここでは国立循環器病研究センター循環器病リハビリテーション部・心臓血管内科部長後藤葉一先生に、実際に行われている心臓リハビリテーションの方法についてお伺いしました。

当院では専任の看護師3人、理学療法士5人を配置した心臓リハビリテーション部門を持っています。心臓リハビリテーションは「運動療法」「患者教育」「コンサルティング(個人面談)」の3つに分けられます。

急性心筋梗塞で入院すると、まずカテーテル室で緊急カテーテル治療を受けたあと、CCU(心臓血管系の集中治療室)に入り集中治療を受けます。カテーテル治療後2日目には、病棟でまずベッドから立ち上がるところからリハビリテーションは始まります。以降は、心電図を監視しながら運動のレベルを上げていき、3日目には病棟廊下で50m歩行を行い、4日目に200m歩行試験を実施し、合格すれば翌日から心臓リハビリ室での回復期心臓リハビリテーションプログラムが始まります。

心臓リハビリ室では、まず歩行負荷心電図検査を行います。電極を両手足と胸に計10個付け、徐々にトレッドミル(歩行ベルト)のスピードを上げながら、脈拍が上がったときに心電図の異常が出ないかどうかを確認します。これに合格すれば、歩行・自転車こぎ・エアロビクス体操などからなる運動療法が開始されます。

心臓リハビリ開始約10日後に、ペダルが徐々に重くなる自転車こぎ運動負荷中に、吐く息をマスクで集めて酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定し運動能力を評価する「心肺運動負荷試験(CPX)」を行います。この検査の結果から、その患者さんにとっての最適な運動の強さ(トレーニング心拍数)を決めます。そこで決まる心拍数は患者さんの状態・状況によって異なります。「心臓病のある人は110くらいで」と推奨されることがありますが、例えばご高齢の方で薬を飲んでいる人の中には目いっぱい運動しても心拍数が110まで上がらない人がおり、そのような患者さんに110を目安としてしまうと非常に負荷がかかってしまいます。逆に150くらいまで心拍数がすっと上がりやすい患者さんの場合、110だと軽すぎて効果が出ないということもあります。

心臓病の重症度、脈拍反応の特徴や、肥満があるどうか、ひざが痛いかどうかなどを総合して判断しトレーニング心拍数を決め、歩行や自転車漕ぎなど運動の種類、方法などを個別に指導します。

約2週間で退院した後は、外来リハビリテーションに週1~3回参加してもらい、体操や自転車漕ぎなどの運動を行い、通院リハビリが無い日は、在宅運動療法を行ってもらいます。運動療法のほかに、当センターでは「患者教室」と名づけた患者教育の講義を1回40分、週に4回行っています。医師・看護師・理学療法士・薬剤師・栄養士・運動指導士などが病気の治療と予防法・薬・食事療法・運動療法などについて話をします。

心臓リハビリテーションプログラムはひとまず3カ月で終了し、終了時点で再度運動負荷試験と血液検査を行い、心臓リハビリテーションの効果を評価し、それ以降の運動療法の進め方や日常生活における注意点を「個人面談」で指導します。

個人面談は入院中の心臓リハビリテーション開始時・退院時・そしてプログラム終了時の3回行いますが、そこではリハビリテーション総論的な話ではなく、病歴やご家族に関する状況などの細かい情報も踏まえ、運動・生活指導を行います。

個人面談は特に重要で、マンパワーの制約がある中でも丁寧に何回も行って、継続的にリハビリテーションをできるよう指導することが大切です。

当院の心臓リハビリテーションプログラムは3カ月で終了しますが、リハビリ開始後150日後まで保険適応が認められており、希望者については150日まで延ばしています。

 

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