S414x320 ee352959 81e2 4fe8 a81c f3266a652e39

インタビュー

公開日 : 2017 年 01 月 10 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

手術不要で痛みなし!重度の狭心症や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の治療「低出力体外衝撃波治療」と「超音波治療」

久留米大学医学部内科学講座 心臓・血管内科部門 主任教授
福本 義弘先生

動脈硬化性疾患の治療は薬物療法のほかは主に手術が中心となり、患者さんの負担が大きい点が難点です。また、症状が重くカテーテル治療やバイパス手術などができない患者さんもいます。そこで誕生した治療が「低出力体外衝撃波治療」と「超音波治療」です。この2つの治療は手術が不要で副作用もなく、非常に患者さんへの負担が少ない治療法として注目されています。低出力体外衝撃波治療と超音波治療について、久留米大学医学部内科学講座 心臓・血管内科部門主任教授の福本義弘先生にお話をうかがいました。

低出力体外衝撃波治療とは

低出力体外衝撃波治療のメカニズム

血管再生

低出力体外衝撃波治療とは、心臓や手足の血管など動脈硬化を起こしている部分に非常に小さな衝撃波をあてて筋肉に小さな刺激が加わることで、微小な血管の新生を促す方法です。動脈硬化を起こした血管の周りに新しく細い血管ができることで血行がよくなり、動脈硬化によるさまざまな症状の改善が期待できます。この治療法は2002年頃に、当時九州大学に在任していた下川宏明教授(現・東北大学循環器内科教授)が開発しました。

低出力体外衝撃波治療では、新しく血管ができるのか、もともと筋肉中にあった微小な血管に刺激を与えることで、血行が生じて新しい血管として活動を始めるのか、詳しいことはまだわかっていません。しかしながら下川宏明教授らの基礎実験によると、衝撃波により血管新生を促す因子が増えて、臓器の血流が改善することが明らかになっています。

もともと体外衝撃波治療は、「体外衝撃波結石破砕術」といって尿路結石や腎結石を外から衝撃波を与えて砕く治療として行われていました。尿路結石や腎結石の衝撃波治療では結石を砕くために大きな衝撃があり、叩かれるような痛みが生じます。しかし動脈硬化性疾患で行われる低出力体外衝撃波治療では尿路結石の衝撃波治療の10分の1の強さの衝撃波を使用するため、痛みはありません。

低出力体外衝撃波治療のメリットや副作用

OKサイン

手術不要で低侵襲、繰り返しの治療や外来治療も可能に

低出力体外衝撃波治療のメリットは、バイパス術やカテーテル治療と異なり、体にメスや器具を入れることなく治療が行えるという点です。手術が不要で低侵襲であることから、何度も繰り返して治療を行え、通院での治療が可能な点もメリットです。

低出力体外衝撃波治療の副作用はほとんどない

低出力体外衝撃波治療の副作用もほとんどありません。痛みはノック式のボールペンが戻ったときのような衝撃がある程度です。ただし心筋梗塞狭心症などの心臓への治療の場合は、全体の3分の1の患者さんで「少し痛みがある」との意見がありました。しかし耐えられない痛みということはなく、むしろマッサージのようで気持ちがいいと感じる方も多くいらっしゃいます。なかには治療中に眠ってしまう方もたびたびおられました。

動脈硬化のページへ

関連記事