インタビュー

狭心症や慢性完全閉塞症と診断されたら

狭心症や慢性完全閉塞症と診断されたら
岡部 輝雄 先生

岡部 輝雄 先生

この記事の最終更新は2016年04月15日です。

狭心症を始めとした冠動脈疾患を事前に診断するには、特別な検査が必要です。心臓の動脈硬化などが見つかったら私たちに何ができるのでしょうか。国際医療福祉大学三田病院心臓血管センターの岡部輝雄先生にお話をうかがいます。

狭心症のやっかいなところは、残念ながら「1年先に心筋梗塞になってしまうかもしれない」「これは放っておいたら必ず悪くなる」など病気の進行度を予見することが困難である事です。たとえば、既に動脈硬化で血管がものすごく狭くなってしまっている場合の多くは、ご本人に自覚症状が出るなどするため、容易に見つけて対処することが可能です。しかし、比較的小さな動脈硬化病変で、それほど血流を阻害するに至っていないレベルの場合、症状がないかあっても曖昧な症状しか自覚しないかもしれません。ところが、そのような動脈硬化病変の中には、突然表面が破れてしまい、その中に含まれていた脂質のゲル状の塊が顔を出してくるものがあります。そのゲル状の脂質と血液が接触すると、あっという間に血液の塊(血栓)をつくってしまいます。そして、ひとたび血栓の形成が始まると、数時間程度で血管内腔が塞がってしまいます。わずかな動脈硬化や、症状がない狭心症でも安全とは言い難く、これが狭心症の対処を難しくさせる理由でもあります。

多くの場合は、突然破裂するような状態ではないでしょうが、薬物治療を開始するべきケースはあるかもしれません。その場合、2~3ヶ月に1回程度の頻度で受診することになります。主治医にイニシアチブをとってもらい、必要な検査の見極めやスケジュールを組んでもらい、その都度必要な検査を受けていくというのが望ましいと思います。「何かあったら受診しよう」という手順ではなく、定期的に主治医とコンタクトを取り続けることが重要です。

狭心症は、薬物治療を行う程度であればおおよそ2~3ヶ月に1回の通院で十分なケアができます。しかし、症状がないからといってご自分の判断で1年に1回程度にしてしまったり薬剤を自己中断したりすると、途中どのような経過をたどるか予想がつきません。狭心症(動脈硬化)は症状がないケースもしばしばあるため、「もし何かあったら」を基準にしてしまうと、患者さんの異常を事前に見つけることはほぼ不可能となってしまいます。ですから、異常を見つける作業を主治医に任せ、同時に病気の重症度や危険度を定期的に見極めてもらうようにする必要があるのです。

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  • 日本循環器学会 循環器専門医日本内科学会 認定医

    岡部 輝雄 先生

    数ある施設のなかでもPCI治療後の生活習慣改善指導に力を入れる三田病院において、退院後も患者さんが良好な生活習慣を保てることを一番に考え診療にあたる。医師が主体となって生活改善への取り組みや経過観察のスケジュールを組むなどのサポートを積極的に行っている。

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