
狭心症といえば「胸の痛み」が代表的な症状でありますが、痛みの感じ方や現れ方は、患者さんによって異なります。中には症状が現れないという怖いケースもあります。ここでは狭心症の症状について福岡山王病院 病院長兼循環器センター長の横井 宏佳先生にお話を伺いました。
狭心症の特徴的な症状は「胸の痛み」です。胸の中央からみぞおち(心窩部)にかけて胸痛が現れます。胸の圧迫感・締めつけ感・胸の痛みのほか、のどの奥をはじめ胸の広い範囲で痛みを感じます。放散痛といって、左肩や左腕、奥歯などに痛みを感じることもあり、痛みの範囲や感じ方はひとによってそれぞれ異なります。こういった胸の痛みなどを「狭心症発作」といいますが、狭心症発作の持続時間は比較的短くて、30秒から1~2分程度がほとんどです。しかし強い胸の痛みが長く続く場合は心筋梗塞が疑われるので注意が必要です。
冠動脈の血管が細くなり、一時的に心臓への血液の流れが少なくなって起こる狭心症発作の場合、冠動脈への血流が回復することで発作は治まります。しかし、冠動脈の血管が完全に詰まってしまう心筋梗塞の場合には、血流の回復は見込めません。そのため、5分以上症状が治まらないときには命の危険をともなうため、一刻も早く病院を受診してください。
また一方で、最近増えてきているのが、自覚症状のない狭心症です。症状が全く出ていないにもかかわらず、実際は心臓の冠動脈が病的な動脈硬化で侵され、悪化していることがあるのです。これは糖尿病の方に多くみられるもので「無痛性狭心症」といい、痛みを感じる神経などが障害されることで生じます。糖尿病のある方や動脈硬化のリスクの高い方などは、早期に冠動脈の異常の有無を確認し、必要であれば早期に治療を行うことが重要です。
狭心症のリスク因子としては、
などがあります。
これまで長年、循環器を専門として狭心症や心筋梗塞などの診療にあたってきましたが、その中で感じることは、典型的な症状が現れる患者さんは意外と少ないということです。
例えば、階段を上がったり、坂道を登ったりしたときに胸が苦しくなるといった症状が出たため、病院で検査を行い、治療につながったという方は今まで私が診療を行ってきた患者さん全体の3割程度です。つまり患者さんの約半数は典型的な症状のない方なのです。
その背景にあるものとして考えられることのひとつは、まず患者さんが、どのような痛みや圧迫感を狭心症の前兆と捉えればよいのかわからないことにあるのだと思います。何か体の異常を感じてはいるものの、肩や首あるいは背中が痛いのは日常生活における一般的な痛みですし、また高齢者の方であれば労作時に息切れをすることもあるため、「最近ちょっと疲れる」とだけにとどめがちになってしまうのです。
最近増加傾向にある、人工透析を受けている患者さんに至っては「少し元気がない」と感じる程度で、全く典型的な症状などは現れません。そのため、前述したリスク因子がある方で「日ごろとは体調が違う」と感じられた場合には、積極的に冠動脈の検査を受けられることをおすすめします。
このような状態を放っておくと、死に至ることもある心筋梗塞になりかねません。ですから、先ほどあげたリスク因子をひとつひとつ消していくことが、狭心症ひいては心筋梗塞の何よりの予防策なのです。
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福岡山王病院 病院長/循環器センター長、高木病院 循環器センター長 、国際医療福祉大学 教授
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福岡山王病院 病院長/循環器センター長、高木病院 循環器センター長 、国際医療福祉大学 教授
日本循環器学会 会員日本内科学会 会員
前病院では心臓のカテーテル治療を年間500件、心臓以外の血管(頸動脈、腎動脈、大動脈瘤、下肢動脈)のカテーテル治療を年間500件行い、通算のカテーテル治療件数は1万例を超える。また、動脈硬化予防のために心臓リハビリテーションを通じて患者の禁煙、運動、食事、睡眠の生活習慣改善と高血圧、脂質異常、糖尿病、慢性腎臓病に対する薬物療法に積極的に取り組む。現病院ではカテーテル治療と生活習慣改善、薬物療法を組み合わせた、心血管イベント抑制のための包括的全身血管診療に取り組んでいる。
横井 宏佳 先生の所属医療機関
周辺で狭心症の実績がある医師
医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
東京都立多摩総合医療センター 副院長(前循環器内科部長)
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
順天堂大学 心臓血管外科 主任教授、虎の門病院 循環器センター外科 特任部長
内科、血液内科、リウマチ膠原病科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、歯科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都港区虎ノ門2丁目2-2
東京メトロ銀座線「虎ノ門」出口3 徒歩5分、東京メトロ日比谷線「霞ケ関」丸ノ内線、千代田線も利用可 徒歩8分
順天堂大学附属順天堂医院 院長、順天堂大学大学院医学研究科 心臓血管外科学講座 教授
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
順天堂大学 心臓血管外科、虎の門病院 循環器センター外科
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
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心臓の動悸
昨年11月に狭心症でカテーテル手術を行いステントを一本入れました。術後の経過は問題なく運動すると必ずといっていいほど胸の痛みも安全に収まりほっとしておりました。しかしごく最近になって夜が多いのですが動悸を覚えることがおおくなり、またみぞおちの少し下の心臓側あたりが違和感(なにか詰まっているような感じ)を覚えます。決して我慢できないとか辛いものではないのですが心配です。最近は多くはありませんがたまにお酒もいただきますがその辺が問題なのでしょうか? よろしくお願いいたします。
脱力感と動悸
狭心症の診断は3月の末にされて、それから毎日お薬を飲んでますが、7月の初めに喉の違和感で耳鼻科に通院し漢方薬を処方されましたが未だに症状は良くならず 今日は夕方に動悸と身体の脱力感があり 倒れるかと思いました。今は、胸焼けがして不快感です。しっかり薬も飲んでいるのに全然体調が良くならず毎日不安で気持ちも沈んでしまいます。心療内科等に受診して方がいいでしょうか?
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今 狭心症で服薬治療中なのですが、1週間位前から喉が詰まる様な違和感が出て困っています。胸焼けが酷かったので20日の日にお薬を処方してもらい24日の日にも狭心症のお薬が1つ追加で出されました。寝つきも悪く 疲労感もありどうしたらいいでしょうか?
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