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狭心症などの虚血性心疾患に対するPCI(経皮的冠動脈形成術)とは?
心臓を動かしている筋肉である心筋に血液を供給する冠動脈が、動脈硬化などによって狭窄する(狭くなる)病気を狭心症といいます。また、冠動脈が閉塞してしまった状態は急性心筋梗塞と呼ばれます。これらの病...
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公開日 : 2019 年 01 月 30 日
更新日 : 2019 年 01 月 30 日

狭心症などの虚血性心疾患に対するPCI(経皮的冠動脈形成術)とは?

目次

心臓を動かしている筋肉である心筋に血液を供給する冠動脈が、動脈硬化などによって狭窄する(狭くなる)病気を狭心症といいます。また、冠動脈が閉塞してしまった状態は急性心筋梗塞と呼ばれます。これらの病気が起こると、心筋への血流が不足してしまうため、血流を再開させる治療を行います。

今回は、虚血性心疾患のカテーテル治療であるPCI(経皮的冠動脈形成術)について、NTT東日本 関東病院の循環器内科部長である山﨑正雄先生にお話を伺います。

PCI(経皮的冠動脈形成術)とは?

カテーテルを使って狭くなった冠動脈を広げる治療

PCI(percutaneous coronary intervention:経皮的冠動脈形成術)とは、狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、カテーテル(医療用の細い管)を使って、狭窄または閉塞した冠動脈を内側から広げる治療法です。体を大きく切る必要がないため、身体的負担が少ないことが特徴です。

虚血性心疾患に対しては、PCIのほかに外科手術である冠動脈バイパス術があります。どちらの治療を行うかは、病変の状況や全身状態、患者さんの希望などを考慮して決定します。

冠動脈バイパス術…狭窄または閉塞してしまった血管の代わりに、体内にあるほかの血管(内胸動脈など)を冠動脈に移植して血液の新しい通り道を作る治療法

PCI(経皮的冠動脈形成術)の具体的な治療法

それでは、PCIの具体的な方法や流れについてお話します。

バルーンで血管を広げたあとにステントを留置する

PCI治療法 イラスト

PCIでは、まず手首の動脈からシース(体外から血管への入り口となる止血弁のついたカテーテル)を挿入します。患者さんによっては、脚の付け根や肘の動脈を使用することもあります。次に、シースからガイディングカテーテルを冠動脈の入り口まで誘導します。それから、ガイドワイヤーを狭窄部や閉塞部を通過させて冠動脈の末端まで挿入します。

これらのデバイスが挿入されたら、IVUS(intravascular ultrasound:血管内超音波法)またはOCT(optical coherence tomography:光干渉断層撮影法)を用いて、病変部の血管径やその周囲の冠動脈を観察します。

あとで詳しくお話をしますが、一口にPCIといってもさまざまな治療法があります。治療前にこれらの検査を行うことで治療方法を決定したり、留置するステントのサイズを決定したりします。

IVUSまたはOCTが終了したら、病変部に対する治療を行います。PCIでは多くの場合、病変部をバルーン(風船のようなもの)で広げたあとに、金属製のステントを留置する方法で行います。

留置するステントとして、近年主流となっているものは、「薬剤溶出性ステント」です。薬剤溶出性ステントとは、ステント表面に再狭窄を防ぐための薬剤が塗布されているステントのことです。3か月ほどかけてステントから徐々に薬剤が溶け出していったあと、最新(2018年時点)の薬剤溶出性ステントでは薬剤が吸収されていたポリマーも体に吸収されて無くなり、最終的にはステントだけが血管内に残ります。当院では、ステントを留置するすべての患者さんに対して、薬剤溶出性ステントを使用しています。

ステントが留置されたら、再度IVUSまたはOCTを用いて血管内の観察をします。このとき、ステントが血管にしっかりと圧着しているか、血管内に異常がないかなどを確認して、問題がなければ治療終了です。

ステントを留置しない場合もある

病変のある場所や太さなどによっては、ステントを留置せずにバルーンで血管内を広げて治療を終了することもあります。

近年は、ステントがない場合であっても再狭窄を予防できるよう、さまざまな種類のバルーンが登場してきています。

主に使用するバルーンは、薬剤溶出性バルーンです。これは先述した薬剤溶出性ステントと同様、バルーンの表面に薬剤が塗布されており、バルーンを広げた際に血管に染み込ませることで、再狭窄を予防する効果が期待できます。

そのほか、カッティングバルーンと呼ばれる数本の刃の付いたバルーンを用いることで、血管に切れ目が入り、硬くなっている血管が拡張されやすくなります。

当院でもこれらを積極的に取り入れることで、治療成績の向上を目指しています。

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1988年より循環器内科医師としてキャリアをはじめる。緊急を要する心疾患を専門に臨床研究を重ねる。現在、NTT東日本関東病院にて循環器内科部長を務め、チーム医療の実現に尽力している。

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