心疾患とは狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気の総称です。心疾患のなかでも心臓に十分な血液が行き届いていない状態を指す虚血性心疾患が大部分を占めており、狭心症や心筋梗塞も虚血性心疾患に分類される病気です。
また、心疾患は日本における死亡原因の第2位で、発症した場合は命に関わることもある病気といえるため、日ごろから心疾患への理解を深めておくことが非常に重要です。
本記事は、心疾患とはどのような病気なのか詳しく解説します。
心疾患は心臓の病気を表す総称で、一般に心臓病といわれることもあります。心疾患に分類される病気や状態には、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、不整脈、心不全などがあります。なかでも、心疾患患者の大部分を占めるのが虚血性心疾患です。
虚血とは、冠動脈(心臓の血管)が狭くなったり閉塞したりすることで、心筋へ十分な血液を送れなくなる状態を指します。狭心症、心筋梗塞のいずれも冠動脈に異常を生じますが、心筋梗塞は完全に閉塞しているのに対して狭心症は完全に閉塞していないという特徴があります。特に心筋梗塞は突然死の原因の多くを占める病気で、早めに適切な治療を行うことが大切です。
心臓に血液を送っている冠動脈が狭くなることで血液の流れが悪くなり、心筋に十分な酸素が行き渡らなくなる病気です。
主な症状は胸が圧迫されるような痛みですが、痛みはときに胸だけでなく肩や首、後頭部やみぞおちなどにも感じることもあります。
冠動脈がさらに狭くなり閉塞することで血液の流れが悪くなり、心筋が壊死してしまう病気です。
主な症状は急激な胸の痛み、呼吸困難、激しい脈の乱れ、吐き気、冷や汗、顔面蒼白などです。狭心症と似た症状もありますが、狭心症では15分以内に症状が治まるのに対し、心筋梗塞では30分以上の長時間にわたって症状が続くことが特徴です。心筋梗塞もまれに首、背中、左腕、上腹部などに痛みを感じることもあります。
心臓は心筋が伸び縮みすることで全身に血液を送りますが、心筋に異常が生じてうまく伸び縮みしなくなり十分に血液が行き渡らなくなる病気です。
心筋症を放置すると慢性心不全に陥り、息切れや倦怠感などの症状が現れることがあります。また、悪化すると安静にしていても息切れが起こることがあります。
心臓には右心室、左心室、右心房、左心房の4つの部屋があり、それぞれの境目や血管との境目に血液の流れを一方向に保ち、逆流を防ぐ役割をもつ弁があります。しかし、心臓弁膜症はこれらの弁が何らかの原因で異常をきたし、血流の流れが妨げられる病気です。これにより、息切れや胸の痛みを生じ、不整脈や心不全といった状態に陥る可能性があるとされています。
脈が乱れる、遅くなる、速くなるといった状態を指します。
これは心臓の中の電気信号が異常をきたしたことによって現れるもので、息切れや動悸、めまい、胸の痛みといった症状が現れたり、ときには失神したりすることもあります。また、心臓弁膜症や心筋梗塞で不整脈を合併することもあります。
心不全も心疾患の1つのようにいわれることがありますが、心不全は病名ではなく、何らかの病気によって引き起こされる体の状態を指します。
心不全の原因となるものとして高血圧、心筋症、心筋梗塞、弁膜症、不整脈、先天性心疾患が挙げられ、このような病気が原因で心臓に異常をきたし、息切れやむくみなどの症状につながることがあります。
心疾患は、がん(悪性新生物)に次いで日本における死因の第2位です。2018年のデータでは、死亡総数に占める割合はがんが27.4%、心疾患が15.3%となっています。
なかでも死亡の内訳で多くを占めるのは虚血性心疾患と心不全です。ただし、心不全は前述のとおり病名ではなく病態であり、心筋症や心臓弁膜症と診断された場合も心不全に陥る可能性があるため注意が必要です。
心疾患の治療は病気や状態によって適切な治療が異なります。ここでは心疾患の大部分を占めるといわれる“虚血性心疾患”の治療について解説します。
虚血性心疾患の1つである心筋梗塞の場合は発症後12時間以内の再灌流療法が基本です。これは、冠動脈にできた血栓を溶かす“血栓溶解療法”、または詰まった血管を広げる“冠動脈形成術(PTCA)”によって行われます。
一方、狭心症の場合は発作時の症状を和らげる薬のほか、冠動脈を広げる薬や心臓の負担を和らげる薬などが用いられます。
また、虚血性心疾患は動脈硬化などが原因となるため、生活習慣の改善が予防につながる可能性があります。日ごろから禁煙や適度な運動、食物繊維・ミネラルが豊富に含まれ塩分を1日10g以下に抑えた食事、ストレスを避けるといった生活習慣を心がけることが大切です。
心疾患にはさまざまな病気や病態がありますが、後天性の場合はどの病気でも生活習慣が根本的な原因の1つにあるため、日ごろから禁煙やバランスのよい食事、適度な運動などの健康的な生活を心がけるとよいでしょう。
また、心疾患の発症は60~70歳代がピークとされているため、特に該当する年代の方や喫煙習慣がある方など発症リスクが高いと考えられる方は、不安な症状があれば循環器内科などの受診を検討するとよいでしょう。
医療法人 札幌ハートセンター 理事長 兼 CMO
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