
心筋梗塞は、治療をしたらそれで終わりというわけではありません。治療後には生活習慣などの改善が再発を予防する上でとても重要になります。久留米大学病院循環器病センター教授の上野高史先生に心筋梗塞の治療についてお話をうかがいました。
心筋梗塞の治療では閉塞した冠動脈を再び開通させる再灌流療法(さいかんりゅうりょうほう)を行いますが、的確な診断のもと、迅速に治療を行うことが大切です。再灌流療法にはいくつか方法がありますが、日本ではバルーンつきの管(カテーテル)を使った治療が一般的に行われています。
カテーテルという細い管を足の付け根などの血管から心臓の冠動脈の閉塞部位まですすめ、閉塞している部位の血栓を吸い取ります。その後、バルーンをふくらませて血管を広げ、血管の血流を確保するためにステントと呼ばれる網目状の金属の筒を挿入します。心筋梗塞の場合、多くのケースでバルーン療法に続いてステントが挿入されており、これらの治療によって、およそ90%以上で血流の回復がみられています。患者さんの状態によっても異なりますが、通常の治療であれば、1時間程度で血流の改善を行うことができます。
しかし、バルーン・ステント治療が終了したらそれで終わりというわけではありません。治療では血の塊である血栓を吸い取ってステントを入れるわけですが、ステントも異物であることに変わりありません。ステント挿入後には血液をサラサラにする治療、つまり抗血小板療法が必要になります。ただし、この抗血小板療法は、血液の凝固を抑えると同時に、出血を起こすリスクを伴います。最も避けたいのは脳出血であるため、例えば血圧が高い方であれば血圧の管理が必要になるなど、治療の後も患者さんが元々持っている危険因子の治療も行わなければなりません。
早い段階で治療を受けることで壊死する心臓の筋肉の範囲を最小限に抑えることができます。ただし、最小限に抑えることはできても、ある程度のダメージを受けてしまうのは仕方ありません。障害を受けた範囲によっては、心臓の機能が低下してしまい、心不全という状態を起こす可能性も出てきます。
そこで治療として行わなければならないのが薬物療法です。薬剤は数種類使用することもありますが、その中でもよく使われているのがスタチンというコレステロールを下げる薬です。スタチンは、動脈硬化を抑えるだけでなく、全身の血管に対する保護的な作用も担っています。そのため使用当初はコレステロール値が急激に低下することがあり気にする方もおられますが、それらの作用についてはあまり気にせずに服用した方がいいでしょう。
狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化は、血圧や脂質、血糖などの異常によって起こります。心筋梗塞の治療をした後も喫煙を続けていたり、運動や生活習慣の改善をしなかったりというのであれば、再び心筋梗塞の発作を起こしてしまいます。つまり心筋梗塞の治療では、生活習慣を見直して改善していくことが非常に重要であるということです。
そこで、現在多くの施設で取り入れられているのが、心臓リハビリテーションです。心筋梗塞を起こした患者さんは、心臓の働きが弱くなっているため、社会復帰までには時間がかかります。患者さんのレベルに応じた運動プログラムなどを取り入れながら、生活習慣の改善や社会復帰に向けた指導を行うのが心臓リハビリテーションです。
聖峰会マリン病院 院長
周辺で心筋梗塞の実績がある医師
東京都立多摩総合医療センター 副院長(前循環器内科部長)
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
順天堂大学 心臓血管外科 主任教授、虎の門病院 循環器センター外科 特任部長
内科、血液内科、リウマチ膠原病科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、歯科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都港区虎ノ門2丁目2-2
東京メトロ銀座線「虎ノ門」出口3 徒歩5分、東京メトロ日比谷線「霞ケ関」丸ノ内線、千代田線も利用可 徒歩8分
NTT東日本関東病院 循環器内科 部長
内科、消化器内科、循環器内科、腫瘍内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、高血圧・腎臓内科、感染症内科、精神科、呼吸器内科、緩和ケア内科、脳神経内科、脳血管内科、小児科、外科、乳腺外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、呼吸器外科、歯科口腔外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、リウマチ膠原病科、放射線科、リハビリテーション科、救急科、麻酔科(ペインクリニック内科)、病理診断科
東京都品川区東五反田5丁目9-22
都営浅草線「五反田」 徒歩5分、JR山手線「五反田」東口より病院シャトルバスも運行あり 徒歩7分
綾瀬循環器病院 心臓血管外科 部長
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東京都足立区の医療を支える綾瀬循環器病院による、心臓弁膜症・狭心症/心筋梗塞・不整脈・大動脈瘤の治療をテーマにした特集です。
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綾瀬循環器病院 循環器内科 部長/人工透析室長
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