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心筋梗塞の治療と予防-生活習慣の改善が重要な鍵となる
心筋梗塞は、治療をしたらそれで終わりというわけではありません。治療後には生活習慣などの改善が再発を予防する上でとても重要になります。久留米大学病院循環器病センター教授の上野高史先生に心筋梗塞の治...
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心筋梗塞の治療と予防-生活習慣の改善が重要な鍵となる

公開日 2016 年 06 月 06 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

心筋梗塞の治療と予防-生活習慣の改善が重要な鍵となる
上野 高史 先生

久留米大学病院循環器病センター

上野 高史 先生

心筋梗塞は、治療をしたらそれで終わりというわけではありません。治療後には生活習慣などの改善が再発を予防する上でとても重要になります。久留米大学病院循環器病センター教授の上野高史先生に心筋梗塞の治療についてお話をうかがいました。

心筋梗塞の治療-閉塞した血管を再度開通させる風船療法

心筋梗塞の治療では閉塞した冠動脈を再び開通させる再灌流療法(さいかんりゅうりょうほう)を行いますが、的確な診断のもと、迅速に治療を行うことが大切です。再灌流療法にはいくつか方法がありますが、日本ではバルーンつきの管(カテーテル)を使った治療が一般的に行われています。

カテーテルという細い管を足の付け根などの血管から心臓の冠動脈の閉塞部位まですすめ、閉塞している部位の血栓を吸い取ります。その後、バルーンをふくらませて血管を広げ、血管の血流を確保するためにステントと呼ばれる網目状の金属の筒を挿入します。心筋梗塞の場合、多くのケースでバルーン療法に続いてステントが挿入されており、これらの治療によって、およそ90%以上で血流の回復がみられています。患者さんの状態によっても異なりますが、通常の治療であれば、1時間程度で血流の改善を行うことができます。

しかし、バルーン・ステント治療が終了したらそれで終わりというわけではありません。治療では血の塊である血栓を吸い取ってステントを入れるわけですが、ステントも異物であることに変わりありません。ステント挿入後には血液をサラサラにする治療、つまり抗血小板療法が必要になります。ただし、この抗血小板療法は、血液の凝固を抑えると同時に、出血を起こすリスクを伴います。最も避けたいのは脳出血であるため、例えば血圧が高い方であれば血圧の管理が必要になるなど、治療の後も患者さんが元々持っている危険因子の治療も行わなければなりません。

心筋梗塞の治療後には薬物療法で再発を予防

早い段階で治療を受けることで壊死する心臓の筋肉の範囲を最小限に抑えることができます。ただし、最小限に抑えることはできても、ある程度のダメージを受けてしまうのは仕方ありません。障害を受けた範囲によっては、心臓の機能が低下してしまい、心不全という状態を起こす可能性も出てきます。

そこで治療として行わなければならないのが薬物療法です。薬剤は数種類使用することもありますが、その中でもよく使われているのがスタチンというコレステロールを下げる薬です。スタチンは、動脈硬化を抑えるだけでなく、全身の血管に対する保護的な作用も担っています。そのため使用当初はコレステロール値が急激に低下することがあり気にする方もおられますが、それらの作用についてはあまり気にせずに服用した方がいいでしょう。

心臓リハビリテーションで生活習慣の改善を

狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化は、血圧や脂質、血糖などの異常によって起こります。心筋梗塞の治療をした後も喫煙を続けていたり、運動や生活習慣の改善をしなかったりというのであれば、再び心筋梗塞の発作を起こしてしまいます。つまり心筋梗塞の治療では、生活習慣を見直して改善していくことが非常に重要であるということです。

そこで、現在多くの施設で取り入れられているのが、心臓リハビリテーションです。心筋梗塞を起こした患者さんは、心臓の働きが弱くなっているため、社会復帰までには時間がかかります。患者さんのレベルに応じた運動プログラムなどを取り入れながら、生活習慣の改善や社会復帰に向けた指導を行うのが心臓リハビリテーションです。

 

久留米大学病院循環器病センター教授。虚血性心臓病やカテーテル治療、末梢動脈病変など循環器一般を専門としている。循環器専門医として心血管治療やインターベンション治療などの診療にあたっている。2015年に開催された日本心血管インターベンション治療学会では会長を務めた。同学会では、適正なインターベンション治療に向けたセッションを開くなど、限りある医療財源の有効な利用についても関心を持ち取り組みをはじめている。

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