インタビュー

狭心症の症状-狭心症を疑う胸の痛みとは

狭心症の症状-狭心症を疑う胸の痛みとは
山沖 和秀 先生

医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授

山沖 和秀 先生

この記事の最終更新は2016年05月27日です。

狭心症の主な症状は胸痛です。しかし、すべての胸痛が狭心症の症状とは限りません。他の疾患によって胸痛が起こっているケースもあります。山王病院 副院長 山沖和秀先生に、狭心症を疑う胸痛についてお話しいただきました。

ただし、胸痛を症状とする病気には大動脈解離・解離性大動脈瘤肺塞栓症肺がんなど多数存在します。以下に狭心症を疑う胸痛の特徴を挙げます。

狭心症を疑う胸痛の特徴

狭心症らしくない胸痛

・圧迫されるような、締め付けられるような苦しさ

・ピリピリ、チクチクした痛み

・痛みの持続が数分以上

・痛みの持続が一瞬ないし数秒

・運動や、精神的に興奮したりした時に起こる

・静かに座っている時などに起こる

狭心症を疑う疾患はさまざまあります。胸痛はご自身で判断するのは非常に難しい場合がほとんどですので、上記の特徴を参考にしていただきたいと思います。それでも受診すべきか、救急車を呼ぶべきか迷われた場合は、都道府県の救急相談窓口に電話で相談されることをお勧めします。医師や看護師が症状を聞き、適切にアドバイスしてくれます。

①安定狭心症

階段や坂道を登ったとき、重いものを持ち上げた時などの運動で起こります。一時的に心臓が酸素不足となることで胸痛があらわれます。安静にしたり、硝酸薬を服薬することで、数分から長くても15分程で症状がおさまります。比較的午前中に症状があらわれることが多くありますが、どの時間帯でも起こります。

運動時よりもある決まった時間帯(夜間や早朝など)の安静時に症状が起こることが多いです。また飲酒や喫煙時、非常に強いストレス状態が続くと症状があらわれることもあります。労作性狭心症と同様に、硝酸剤の服薬が有効です。症状が頻回になり症状の持続時間も長くなる場合は、急性冠症候群への移行や進展が懸念されます。

②急性冠症候群

  • 不安定狭心症

突然に狭心症発作(胸痛や胸の圧迫感)が起こります。症状の出現が頻回になり、安静時にも症状があらわれるようになります。なるべく早くに検査・治療を行う必要があります。

冠動脈の血流が完全に途絶え、心筋の一部に壊死が起こります。壊死した心筋は再び元に戻ることはありません。胸痛や圧迫感は狭心症よりずっと激しく、20分以上続きます。また硝酸薬の服薬も効果がほとんどありません。急性心筋梗塞を起こすと、命にかかわる一刻を争う危険な状態といえます。

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