かんれんしゅくせいきょうしんしょう

冠攣縮性狭心症

最終更新日:
2021年04月23日
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2021/04/23
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概要

冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)とは、狭心症の1つです。この病気では、心臓の冠状動脈(心臓に酸素と栄養を与える血管)がけいれんを起こして心臓に十分な酸素が行きわたらなくなるために胸痛発作が生じます。狭心症は運動時に症状が出るタイプのものがありますが、冠攣縮性狭心症では就寝中や安静時であっても胸の痛みや動悸などの症状が出現する点が特徴です。冠攣縮性狭心症は日本人に多いことも知られています。突然死につながることもある病気のため、適切な治療介入を受けることが重要です。

原因

冠攣縮性狭心症は、心臓に栄養を送る血管である冠状動脈がけいれんを起こし、一時的に血管の内腔が狭くなってしまうことで発症します。冠状動脈の一過性の狭窄(きょうさく)は、明け方や夜中、就寝中や安静時に生じることが特徴です。

冠攣縮性狭心症は、現在のところ喫煙習慣や飲酒、寒冷刺激、ストレスなどが発症に関与していると推定されています。冠攣縮性狭心症が日本人に多いことと関連して、遺伝学的な要因も病気の発症に関与していることが想定されます。

症状

冠攣縮性狭心症は、明け方や夜中、就寝中や安静時に胸の痛みや圧迫感、息苦しさ、冷や汗、失神などの症状が生じます。胸の痛みはどこか一点にしぼられることなく、漫然とした部位の胸の痛みとして認識されます。また、痛みは数分から10分程度持続し、首や左肩など胸以外の場所にも症状が見られることもあります。

冠攣縮性狭心症による症状は、飲酒や過呼吸にて誘発されることがあります。発作頻度も連日であることもあれば、間に何か月も間が空くこともあります。

なお、狭心症というと動脈硬化を基盤として段階的に増悪し、運動時に症状が出現するタイプのものがありますが、こうしたものと冠攣縮性狭心症は症状出現のタイミングが異なる点に着目することは重要です。

検査・診断

冠攣縮性狭心症では、心電図検査が行われます。しかし、冠攣縮性狭心症の特徴上、特に夜間就寝中に冠動脈の攣縮が生じることが多く、日中病院受診時には症状がないこともあります。その際には、検査上の異常が指摘できません。

そのため、ホルター心電図、運動負荷試験、過換気負荷試験などの方法も検討されます。そのほか、心臓カテーテル検査によって冠動脈の攣縮を誘発させることもあります。実際臨床では、ニトログリセリンの舌下の効果が発作時にあるかで、ある程度の診断の目安をつけます。発作時に積極的にニトログリセリンを使って確認するとよいでしょう。

治療

冠攣縮性狭心症は、突然死につながる可能性もある病気であるため、病気が診断された際には治療介入が検討されます。具体的には、冠攣縮性狭心症では手術による治療介入ではなく、カルシウム拮抗薬や硝酸薬などの内服薬を用いて治療にあたります。

そのほかにも、禁煙や飲酒量の調整、ストレスの対処なども症状コントロールのためには重要です。さらに、高血圧糖尿病脂質代謝異常などがある際には、食事療法や運動などを取り入れ、必要に応じて薬剤を用いての調整を考慮することも大切です。また、最近言われている微小循環障害型狭心症とも区別がつきにくいともいわれています。

専門家の指導のもと、以上のような対処方法を行いながら、症状緩和・突然死の予防策を講じることが重要です。

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