インタビュー

狭心症の治療-薬物療法と手術治療が行われる

狭心症の治療-薬物療法と手術治療が行われる
山沖 和秀 先生

医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授

山沖 和秀 先生

この記事の最終更新は2016年05月30日です。

狭心症の治療には薬物療法と手術治療があります。薬物療法は、予防と症状があらわれた際の対症療法があります。また手術療法は狭窄した血管を広げて、血流を改善する目的で行われます。狭心症の治療について山王病院 副院長 山沖和秀先生にお話しいただきました。

⑴予防治療

  • アスピリン

本来は痛み止めのアスピリンですが、少量を服用すると血小板のはたらきを抑えて、血液がかたまるのを防ぐように働きます。血管が詰まるのを予防するために服薬します。

狭心症のリスクとなりうる脂質異常症(コレステロールや中性脂肪などの異常)をコントロールして、狭心症を予防します。

動脈硬化の進行を防ぐには糖尿病のコントロールが重要です。

⑵対症療法

  • 血管拡張薬(硝酸薬、カルシウム拮抗薬、ニコランジルなど)

交感神経(精神的な興奮をきたす自律神経)の活動を抑え、血圧が過度に上がらないようにし、脈拍数も多くなりすぎないようにコントロールして、心臓の負担を軽減する薬です。

  • ベータ遮断薬

交感神経(興奮する神経)の活動を抑え、血圧を低く、脈拍数を少なくして、心臓の負担を軽減する薬です。

狭心症には、血管拡張薬やベータ遮断薬の中から2〜3種類を併用して処方します。また脂質異常症や糖尿病など、患者さんの持病に合わせた治療薬を処方します。

  • 冠動脈形成術(PCI)

動脈硬化で狭窄した冠動脈を広げて血流を改善する治療法です。バルーン血管形成術と冠動脈ステント留置術があります。バルーン血管形成術では、先端に風船(バルーン)のついたカテーテルを使います。冠動脈の狭窄部分でこの風船をふくらませ、動脈を広げます。冠動脈ステント留置術では、金属を網の目状にした筒(ステント)を血管の内部に入れ、動脈を広げて内側から補強します。

冠動脈ステント留置術では、留置したステント部分に再び血栓が形成され、血管が再狭窄する危険性がありました。現在は再狭窄を防ぐ薬物が塗布されている薬物流出性ステントによって、その頻度が減少しています。また、薬物流出性ステントによって、抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)の服用期間が短縮されるなど、効果が得られています。→冠動脈ステント留置術では、留置したステント部分に再び血栓が形成され、血管が再狭窄する危険性がありました。現在は再狭窄を防ぐ薬物が塗布されている薬物流出性ステントによって、その頻度が減少しています。また、再狭窄の予防のため、数年以上、2種類の抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)を飲まなくてはならなかったのが、薬物流出性ステントの改良によって、以前よりは早めに1種類に減らせるようになっています。

  • 冠動脈バイパス術

冠動脈バイパス術は、胸を切開して行う手術です。ご本人の足の静脈、胸、腕、胃などの動脈を閉塞している冠動脈部分につなぎ、血流を改善します。冠動脈の狭窄の位置がPCIを行うのに難しい場所であったり、PCIでは危険を伴うと判断された場合には、冠動脈バイパス術が行われます。

また、喫煙・飲酒を継続していたり、脂質異常症糖尿病が改善されていない場合は、他の部分の血管が狭窄することがあります。治療後は定期的に検査を行いますが、それ以上に、患者さん自身が規則正しい生活を送るという意識をもつことが重要です。ずっと付き合っていく必要のある病気ともいえるのです。

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