
心臓の周りを取り巻いている冠動脈が動脈硬化により狭くなる病気が「狭心症」です。階段を上ったり、重い物を持ったり、運動をしたり、ときには安静にしているときにも発作が起こります。悪化すると心筋梗塞へ進行することがあるため、早期発見・早期治療が大切です。ここでは狭心症が起こるメカニズムについて福岡山王病院 病院長兼循環器センター長の横井 宏佳先生にお話を伺いました。
心臓に栄養や酸素を送る血管(冠動脈)が狭くなり、血液の流れが悪くなった状態(虚血状態)を「狭心症」といいます。また、狭心症がさらに進行して血管が完全に詰まった状態を「心筋梗塞」といいます。
狭心症に伴って起きる胸の痛みを「狭心症発作」といい、胸の痛みや胸の圧迫感などが一時的に起こったあと消失することが多いです。しかし心筋梗塞に進行してしまうと、激しい痛みが5分以上、長い場合には30分から数時間に渡って続くことがあります。この心筋梗塞は心臓の停止や突然死を招く危険な病気です。
冠動脈は、右冠動脈と左冠動脈があり、それらが心臓を取り囲んでいます。左冠動脈はさらに左前下行枝と左回旋枝に分岐しており、一般的にこの3本の血管のことを冠動脈と呼んでいます。
血管は内側から、内膜・中膜・外膜の3構造でできており、まず内膜から浸されます。冠動脈の内腔(血液の通りみち)が75%ほど狭まると、血液不足となり胸の痛みを感じるようになるのです。冠動脈が狭くなる原因には、動脈硬化によって血管の壁に脂(コレステロール)がたまる場合と、動脈硬化とは関係なく、血管にけいれんが起きることで狭くなる場合とがあります。
血管のけいれんによって起こる狭心症のことを「冠攣縮性狭心症」といいます。けいれんは血管の内膜が障害を受けることで生じます。このタイプの狭心症は動脈硬化が原因となるタイプよりも多く、狭心症の6割にこの「冠攣縮」が関与しているといわれ、日本人は欧米人に比べて約3倍多いといわれています。
また、安定した狭心症と不安定な狭心症に大きく分類されます。「安定狭心症」とは、発作の起きる状況や発作の持続時間などが一定している狭心症のことをいいます。一方「不安定狭心症」は、発作の起きる頻度や強さが一定していない狭心症で、心筋梗塞に移行しやすく最近では「急性冠症候群(ACS)」という概念でとらえられています。
このように病状で分類する以外にも、発生の原因や発生状況、発症の機序・誘因などによって、いくつかの種類に分類されます。例えば、病的な動脈硬化によって起こる「冠動脈硬化性狭心症」と、血管の痙攣によって起こる「冠攣縮性狭心症」といったように発生原因で分けることができます。
発作の起こる状況や発作の持続時間などが一定している狭心症。 労作性狭心症(下記参照)の多くを占めます。
動脈硬化によって血管が狭くなることで起こる狭心症。階段の上り下りや、通常よりも激しい運動をしたときなどに起こります。
冠動脈がけいれんすることで血管が狭くなって起きる狭心症。安静時に起こりやすいため、安静時狭心症ともよばれています。
冠動脈の血管にできた粥腫(血管の内膜面にコレステロールが沈着して塊となっている状態)が破れやすくなった状態の狭心症。血栓ができやすくなっている状態で、将来的に心筋梗塞に移行する可能性が高い狭心症です。
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福岡山王病院 病院長/循環器センター長、高木病院 循環器センター長 、国際医療福祉大学 教授
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日本循環器学会 会員日本内科学会 会員
前病院では心臓のカテーテル治療を年間500件、心臓以外の血管(頸動脈、腎動脈、大動脈瘤、下肢動脈)のカテーテル治療を年間500件行い、通算のカテーテル治療件数は1万例を超える。また、動脈硬化予防のために心臓リハビリテーションを通じて患者の禁煙、運動、食事、睡眠の生活習慣改善と高血圧、脂質異常、糖尿病、慢性腎臓病に対する薬物療法に積極的に取り組む。現病院ではカテーテル治療と生活習慣改善、薬物療法を組み合わせた、心血管イベント抑制のための包括的全身血管診療に取り組んでいる。
横井 宏佳 先生の所属医療機関
周辺で狭心症の実績がある医師
医療法人財団順和会 山王病院 副院長、国際医療福祉大学臨床医学センター 教授
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、心療内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科
東京都港区赤坂8丁目10-16
東京メトロ銀座線「青山一丁目」4番(南)出口 徒歩4分、東京メトロ千代田線「乃木坂」3番出口 徒歩4分
東京都立多摩総合医療センター 副院長(前循環器内科部長)
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
順天堂大学 心臓血管外科 主任教授、虎の門病院 循環器センター外科 特任部長
内科、血液内科、リウマチ膠原病科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、歯科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都港区虎ノ門2丁目2-2
東京メトロ銀座線「虎ノ門」出口3 徒歩5分、東京メトロ日比谷線「霞ケ関」丸ノ内線、千代田線も利用可 徒歩8分
順天堂大学附属順天堂医院 院長、順天堂大学大学院医学研究科 心臓血管外科学講座 教授
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
順天堂大学 心臓血管外科、虎の門病院 循環器センター外科
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
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心臓の動悸
昨年11月に狭心症でカテーテル手術を行いステントを一本入れました。術後の経過は問題なく運動すると必ずといっていいほど胸の痛みも安全に収まりほっとしておりました。しかしごく最近になって夜が多いのですが動悸を覚えることがおおくなり、またみぞおちの少し下の心臓側あたりが違和感(なにか詰まっているような感じ)を覚えます。決して我慢できないとか辛いものではないのですが心配です。最近は多くはありませんがたまにお酒もいただきますがその辺が問題なのでしょうか? よろしくお願いいたします。
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狭心症の診断は3月の末にされて、それから毎日お薬を飲んでますが、7月の初めに喉の違和感で耳鼻科に通院し漢方薬を処方されましたが未だに症状は良くならず 今日は夕方に動悸と身体の脱力感があり 倒れるかと思いました。今は、胸焼けがして不快感です。しっかり薬も飲んでいるのに全然体調が良くならず毎日不安で気持ちも沈んでしまいます。心療内科等に受診して方がいいでしょうか?
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今 狭心症で服薬治療中なのですが、1週間位前から喉が詰まる様な違和感が出て困っています。胸焼けが酷かったので20日の日にお薬を処方してもらい24日の日にも狭心症のお薬が1つ追加で出されました。寝つきも悪く 疲労感もありどうしたらいいでしょうか?
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一週間前から左の首筋が痛く、寝違えたかと思って安静にしていたが良くならない。5日ほど前から左肩甲骨下の痛みとそのせいか息を吐くと心臓が痛い。 左後頭部からの頭痛があり、今朝起きると左目だけが腫れているような違和感、やや見えづらくなっているような感覚がある。 3日前に内科受診時は該当する病気がなく、疲れなどだろうと診断 昨日整形外科を受診し、肩こりが強いのでそれが原因の寝違えのようなものだろうとの診断。 実際に嘔吐はしないが、みぞおちあたりがムカムカとする、車酔いのような気持ち悪さがある。
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