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頸部頸動脈狭窄症の治療①頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)
首にある内頚動脈が動脈硬化により狭くなると、その部分にはコレステロールなどの塊であるプラークが堆積し、血栓が形成されます。この血栓が脳の血管へと飛んでしまい、脳梗塞などの深刻な病気を引き起こすこ...
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頸部頸動脈狭窄症の治療①頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)

公開日 2016 年 02 月 24 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

頸部頸動脈狭窄症の治療①頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)
飯原 弘二 先生

九州大学大学院医学研究院脳神経外科 教授

飯原 弘二 先生

首にある内頚動脈が動脈硬化により狭くなると、その部分にはコレステロールなどの塊であるプラークが堆積し、血栓が形成されます。この血栓が脳の血管へと飛んでしまい、脳梗塞などの深刻な病気を引き起こすことがあります。これを防ぐための最もメジャーな手術法は、「頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)」です。CEAとは具体的に何を行う手術なのか、九州大学大学院医学研究院・脳神経外科教授の飯原弘二先生にご説明いただきました。

頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)のメリット・デメリット

頸動脈血栓内膜剥離術(以下、CEA)は、頸動脈を切開して堆積したプラークを取り除く(剥離する)手術です。CEAの最大のメリットは、脳梗塞などを引き起こしかねない危険な不安定プラークをきれいに除去できることです。さらに、この手術が終われば、抗血小板薬の投与も1種類だけで済むようになることがほとんどです。

対するデメリットは、全身麻酔をせねばならないことです。たとえば、肺をはじめとする呼吸器に問題を抱えている人など、全身麻酔によるリスクが高い人にとっては、CEAは不向きな手術であるといえます。

頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)の手順と手術にかかる時間

では、CEAの具体的な方法をみていきましょう。血管内膜に堆積したプラークを除去するため、全身麻酔をかけたあと、首にメスを入れて内頚動脈を露出させ、血管に直接アプローチできる状態を作り出します。

総頚動脈が内頚動脈と外頸動脈のふたつに分岐している部分のすぐ近くには舌下神経(舌の神経)があるので、ここで神経に触れないよう細心の注意を払う必要があります。舌下神経に触れてしまうと、一時的に麻痺が生じたり、舌が曲がってしまうなどの合併症が起こる危険性があります。これも、CEAのデメリットのひとつといえるでしょう。

次に、内頚動脈をクリップで留めて血流を完全に遮断し、血管を開いてすべてのプラークを除去します。

その後、血管内膜をきれいに縫い合わせ、余分なものが残らないよう洗い流したうえで血流を再開させます。この手術に要する時間は、大体2~3時間ほどです。

CEAのリスクが高い人にはCASを行えばよいのか?変わる治療選択の考え方

CEAは非常に歴史の深い治療法であり、これまでは頸部頸動脈狭窄症に対する最もスタンダードな手術であると考えられていました。そのため、もうひとつの手術法である頸動脈ステント留置術(CAS)は、CEAができない症例、もしくはあまり向いていない症例に対してのみ選ばれていました。これは、頸動脈ステント留置術(以下、CAS)が比較的新しい手術法であり、CEAと比較したときの有効性が不明瞭であったためです。

ところが、2010年にCASをCEAのリスクが高くはない人に対しても行う大規模な比較試験(CREST試験)が実施され、「低リスクの患者においてもCEAとCASの効果は同等である」という結果が報告されました。この報告を受けて、頸動脈狭窄症の治療法選択の基準は大きく変わりました。

これまでは「CEAのリスク」というひとつの軸のみで考えていましたが、上記の試験結果報告を機に、「CEAのリスク」と「CASのリスク」というふたつの軸で治療選択を考えていかねばならない時代になったのです。次の記事では、CASの具体的な方法と、リスクや不向きな人について詳しく解説します。

 

日本の脳神経外科医。特に脳卒中の外科、血管内治療(脳動脈瘤、頚動脈狭窄症)、虚血性神経細胞死、良性脳腫瘍の外科を専門としており、多数の手術を手掛けている。研究業績も多数あり、研究代表者として厚生労働科学研究、日本医療研究開発機構研究、科学研究費助成事業では脳卒中医療に関する研究を行う。若手・後進の育成にも定評があり、毎年多数の研修医が集まる。

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