
これまで頸部頸動脈狭窄症に対する最もスタンダードな手術は、頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)とされてきました。しかし、CEAには全身麻酔をかけなければならないというデメリットもあり、呼吸器に問題を抱える方などにとっては不向きといわれています。本記事では、局所麻酔で治療を行えるもうひとつの代表的な手術法、「ステント留置術(CAS)」とはどのようなものか、九州大学大学院医学研究院・脳神経外科教授の飯原弘二先生にお話しいただきました。
ステントとは、狭くなった血管を内側から広げるための筒型の医療器具です。ステンレスなどの金属でできており、細かな網目状になっています。ステントを狭窄部へと運ぶためには、カテーテルという細長い管を血管内に挿入する必要があります。頸動脈ステント留置術(以下、CAS)の場合は、一般的には足の付け根の血管からカテーテルを挿入し、内頚動脈の狭窄部にバルーンを入れて膨らませ、そこにステントを留置します。こうすることで、良好な血行を確保することができるのです。
CASのメリットは、局所麻酔で手術を行えるため、患者さんの体にかかる負担が少ないことです。しかし、ステントにより血管を拡張させる際に、血管内膜に堆積していたプラークは押しつぶされてしまいます。かつてはこの過程で、血栓の破片が脳へと飛んでしまい、小さな無症状レベルの梗塞が起こる例が多々ありました。
現在はこのような合併症を防ぐために「プロテクション」という方法を採用しており、脳へと飛んでいこうとする血栓の破片を傘状のフィルターでキャッチして回収しています。これにより塞栓症などの合併症を克服することが可能になり、治療成績も向上しました。
かつてCASは、全身麻酔のリスクが高い高齢者の方に向いているといわれていました。しかし、2010年の論文発表では、「年齢で頸動脈狭窄症の治療法を考えると、高齢者層にはCASではなくCEAの方が有効性が高い」との報告がなされました。なぜなら高齢の方は血管が蛇行しており、カテーテルの留置に時間がかかってしまうからです。カテーテルの留置に時間がかかるケースでは、途中でカテーテルが血管に触れたり傷つけてしまうことがあり、治療成績はよくありません。このほか、血管の屈曲が強い方や、大動脈瘤(腹部大動脈瘤・胸部大動脈瘤)がある方も血管内治療は難しいため、CASよりもCEAを選択した方がよいと考えられます。
先に述べたように、ステントは網目状(メッシュ状)の構造をしています。狭窄部のプラークが非常に不安定で血栓が密集しているケースでは、ステントを留置して傘状のフィルターを抜いた後に、ステントの網目の間から血栓が頭部へと飛んでしまう可能性もあります。ですから、CASとCEAのどちらが向いているかを判断するためには、①カテーテルの扱いやすさ(血管が蛇行や屈曲していないかどうか)と②狭窄部のプラークの性状、どちらも考える必要があります。
また、近年ではCASとCEAを同時に行う「ハイブリッド手術」が行われるようになりました。たとえば、とても長い病変がある場合、プラークが非常に不安定な部分はCEAにより除去し、CEAでは届かない奥深くの血管にはステントを留置させるということが可能になったのです。「より低侵襲でより安全な手術を1回でできる」ということは、患者さんの心身にとって非常に重要なことです。ハイブリッド手術を本格的に行える施設は日本ではまだ限られていますが、これから広げていきたいと考えています。
国立循環器病研究センター病院 病院長
周辺で動脈硬化の実績がある医師
東京逓信病院 内分泌・代謝内科 部長
内科、血液内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、総合診療科、病理診断科
東京都千代田区富士見2丁目14-23
JR中央・総武線「飯田橋」西口 徒歩5分、東京メトロ有楽町線「飯田橋」B2a出口(東京メトロ南北線も同様) 徒歩6分、都営大江戸線「飯田橋」A4出口(東京メトロ東西線も同様) 徒歩9分
東京都立多摩総合医療センター 副院長(前循環器内科部長)
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
順天堂大学 大学院医学研究科循環器内科学・教授
内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科
東京都文京区本郷3丁目1-3
JR中央線(快速)「御茶ノ水」御茶ノ水橋口 JR中央・総武線も乗り入れ、東京メトロ丸ノ内線も利用可 徒歩5分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩7分
日本赤十字医療センター 糖尿病内分泌内科 部長
内科、アレルギー科、血液内科、外科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、腫瘍内科、感染症内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、膠原病内科、肝胆膵外科、肛門外科、脊椎脊髄外科
東京都渋谷区広尾4丁目1-22
東京メトロ日比谷線「広尾」港区コミュニティバス(ちぃばす):青山ルート 日赤医療センター下車 徒歩15分、JR山手線「恵比寿」西口 都営バス 学06系統 日赤医療センター行き終点下車 バス10分、東京メトロ日比谷線「恵比寿」西口 都営バス 学06系統 日赤医療センター行き終点下車 バス10分、JR山手線「渋谷」東口 都営バス 学03系統 日赤医療センター行き終点下車 バス15分
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