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インタビュー

絨毛性疾患-子宮内除去術後の経過観察について

絨毛性疾患-子宮内除去術後の経過観察について
兼城 英輔 先生

九州大学 大学院医学研究院 生殖病態生理学、九州大学病院 産科婦人科助教

兼城 英輔 先生

絨毛性疾患は、胞状奇胎から続発して発生する一連の疾患です。その種類はいくつかのタイプに分けられ、分類によって治療法も経過観察の方法も異なります。九州大学病院産婦人科の兼城英輔先生に絨毛性疾患子宮内除去術後の経過観察についてお話をうかがいました。

胎盤のもととなる絨毛という組織から発症し、増殖を繰り返していくのが絨毛性疾患です。妊娠を契機として起こる絨毛性疾患には胞状奇胎やそれに続く侵入奇胎、さらには絨毛がんなど、続発して発症することも少なくありません。そのため、治療が終わっても一定期間は継続的に経過をみていかなければならない疾患です。

絨毛性疾患のほぼ大多数を占めているのが胞状奇胎です。絨毛性疾患の中に含まれる悪性の絨毛がんは、正常妊娠の後に発症することもありますが、多くは胞状奇胎のあと段階を踏んで起こります。正常妊娠の後に起こる場合と比べると、全胞状奇胎後の絨毛がんリスクは1000倍以上ともいわれています。

絨毛性疾患は、日本産科婦人科学会による分類では

  • 胞状奇胎(全胞状奇胎、部分胞状奇胎)
  • 侵入奇胎
  • 絨毛がん
  • 胎盤部トロホブラスト腫瘍
  • 類上皮性トロホブラスト腫瘍
  • 存続絨毛症

に分けられます。

絨毛性疾患は、胞状奇胎を発生した後に、続発症を起こすことが多いため、妊娠の早い段階で胞状奇胎を発見して、早期に子宮内搔爬術などを行い、妊娠性ホルモンであるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を定期的に測定するというのが一連の流れとなります。

胞状奇胎と診断されたときにまず行われるのが子宮内除去手術です。日本では2回行う施設がほとんどです。理由としては、妊娠して子宮が大きくなると、子宮自体が柔らかくなるため、手術を行う際に穿孔といって子宮を突き破る危険があり、1回では胞状奇胎を完全に除去するのが困難だからです。そのため、1回目の手術では大部分の内容物を取り出し、子宮が小さくなってから残りの内容物をとるのが一般的です。2回目の手術は、1回目の手術から1週間ほど経過した後に行います。海外では、基本的に1回しかしておらず、1回でいいのではないかという意見もあります。しかし2回行った方が、その後の続発症の発生が少ないというデータもあるため、手術の回数に関しては、今後議論されていくことになると考えられます。手術の術式としては、以前は挙児の希望がなければ子宮摘出をしていた時期もありましたが、予後の改善には必ずしもつながらないことなどもあって、現在は子宮温存することがほとんどです。

胞状奇胎後の管理としては、子宮内除去術を行ったあと、一次管理として妊娠性ホルモンであるhCG値を1~2週間毎に測定します。hCGの値がカットオフ値に到達したら、二次管理として3~4年程度hCG値を継続して測定し、陰性化しているか確認しながら経過観察を行います。半年程度hCG値がカットオフ値以下を持続すれば、その段階で妊娠の許可が出されます。

とはいっても、全胞状奇胎のおよそ10~20%が続発症を起こしてきます。続発症の中で多いのは侵入奇胎ですが、その一部は絨毛がんになっていきます。妊娠性ホルモンが一旦は陰性化したあとに再び上昇して、続発症として侵入奇胎もしくは臨床的侵入奇胎と診断された場合には、抗がん剤治療を行います。

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    兼城 英輔 先生

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