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じゅうもうがん

絨毛がん

最終更新日:
2023年05月22日
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2023/05/22
更新しました
2017/04/25
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概要

絨毛(じゅうもう)がんとは、妊娠したときに胎盤をつくる“絨毛細胞”から発生するがんのことです。子宮内だけでなく、肺や脳、肝臓に転移を起こしやすく悪性度の高いがんとして知られています。

この病気は、受精卵の異常によって引き起こされる胞状奇胎(ほうじょうきたい)から進行することが多いです。発症すると、月経異常、不正出血や下腹部痛などを引き起こすことがありますが、早期段階では症状がないことも多く、転移が進んで初めて発見されるケースも少なくありません。

絨毛がんは転移しやすいがんである一方、適切な抗がん剤治療などを行うことで治る見込みが非常に高いがんでもあります。

原因

絨毛がんは胎盤をつくる絨毛細胞が悪性化して増殖するがんです。

絨毛細胞が悪性化する明確な発症メカニズムは解明されていませんが、主に絨毛細胞がブドウやイクラのような袋状に異常増殖する“胞状奇胎”の後に発症するとされています。

胞状奇胎の1~2%程度が絨毛がんに進行するとされていますが、中には通常の妊娠後や流産後に発症するケースもあり原因がはっきり分からないケースがあります。

症状

絨毛がんは月経異常(無月経など)、不正出血や下腹部痛などの症状が現れることもありますが、進行するまで症状が現れないことも多いとされています。

しかし、肺、肝臓、脳などに転移を起こしやすく、咳や呼吸苦、腹痛や肝機能異常、運動麻痺や意識障害などの神経症状がみられることがあります。また、これらの症状から絨毛がんが発見されるケースも少なくありません。

検査・診断

絨毛がんが疑われるときは次のような検査が行われます。

画像検査

子宮内の状態を評価するため、超音波やCT、MRIなどによる画像検査が必要です。また、絨毛がんは転移を起こしやすいため、転移の有無を確認する目的で全身のCT検査を行うのが一般的です。

血液検査

絨毛がんを発症すると、本来であれば妊娠中しか分泌されない“hCG”と呼ばれるホルモンの過剰分泌が生じるため、診断の手がかりの1つとしてhCG値の測定などが行われます。また、炎症や貧血の有無、肝機能、腎機能など全身の状態を把握するためにも血液検査が必要になります。

病理検査

絨毛がんの確定診断には、手術などによって摘出したがんの組織を顕微鏡で詳しく調べる病理検査が必要です。ただし、組織検査が困難な場合、治療後に妊娠を希望するなど手術ができない場合には、画像検査や血液検査、症状のみで診断を行います。

治療

絨毛がんはほかの臓器に転移しやすく、悪性度が高いがんの1つとされています。

しかし、絨毛がんは抗がん剤が非常によく効くがんでもあり、適切な抗がん剤治療を行うことで根治が期待できます。

一方で抗がん剤が効きにくい場合には、子宮摘出や転移病巣の摘出などの手術や放射線治療が必要になることもあります。

予防

絨毛がんは胞状奇胎を発症した後や正常分娩流産などの妊娠の後に生じると考えられています。そのため、胞状奇胎の治療後は症状がなくても医師の指示に従って適切な経過観察を行っていくことが必要です。

正常な妊娠や流産後でも、月経異常や不正出血など気になる症状があるときは軽く考えずにできるだけ早めに病院を受診しましょう。

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