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インタビュー

スポーツ障害のリハビリ

スポーツ障害のリハビリ
今井 晋二 先生

滋賀医科大学 整形外科学講座 教授

今井 晋二 先生

スポーツ障害の治療はリハビリテーションとセットです。とくに関節内骨折術後や骨軟骨柱移植術の術後に関節軟骨を元の状態に戻すために使われているのがCPM(持続的関節他動訓練器)です。CPMについて滋賀医科大学整形外科学講座教授の今井晋二先生にお話を伺いました。また、スポーツの怪我で気になる湿布の効果についてもお話をいただきました。

関節内骨折術後や骨軟骨柱移植術の術後では、骨と骨がくっつくのに2カ月、骨の強度が出るまでに3カ月、軟骨同士が均一に戻るのに半年ほどかかります。そこからようやく本格的な運動を再開することができます。リハビリテーションでは、手術直後から「CPM(持続的関節他動訓練器)」と呼ばれる機械を使って訓練を始めることがあります。これは、ギプスで固めるだけで動きがないと軟骨はやせ細ってしまうからです。CPMに手足を乗せて固定すると膝の曲げ伸ばしをしてくれます。CPMが曲げる角度や速度を調節し、だんだんと角度や速さを増していきます。はじめは骨と骨のくっつき方が弱いので、頻度・負荷を少しずつ増やしてトレーニングに耐えられるようにします。CPMを含む術後リハビリテーションにより、骨と骨がくっ付く一方、じん帯も成熟し、本来の強じんさとしなやかさを回復できます。

「湿布を使うのは有効か」と聞かれることがありますが、有効です。湿布は、昔は文字通り濡れた布が使われ、気化熱によって患部の温度を下げるために使われてきました。これは、急性の外傷や野球の投球など肩を使った後に発する「うつ熱」を解消するためです。運動後にうつ熱が起こるメカニズムは、激しく動かす部位では筋肉が大量の酸素を必要とするため普段の何倍もの血が入り込みます。運動をやめてもしばらくは血管が開いたままになっているため血で患部が膨らみ、うっ血を起こします。アイシングといいますが、冷却することにより、周囲の血管の収縮がおこり、運動後の筋肉に流れる血流量が減ります。よく試合後の投手が、肩をアイシングしています。その結果、酷使した筋肉と損傷を受けた組織周囲の内出血が最小限にくい止められ、ひいては損傷部分の回復が早くなります。プロ野球投手のように大量の筋肉を一期に冷却するには、1~2枚の湿布では到底間に合いませんが、理屈は同じです。近年の湿布は冷やすだけでなく、消炎鎮痛剤成分も入っているので痛み止めも兼ねています。

スポーツ障害はふだんからの予防が大切で、そのためには知識が重要です。スポーツ障害に関する幅広い知識を持っているのは整形外科の中でもスポーツに関心を持っているスポーツ専門医です。そのような医師たちは少年野球でひじや肩に痛みを感じている子どもたちの将来を考えて、「今は休んだほうがいい」と適切な指導することができます。

しかし代替医療ではともすれば施術に来てもらうことが目的となって「投げてもいいから、かならず、施術を受けに来なさい」ということになりかねません。ですから、スポーツで体に異変を感じたらスポーツ専門医を訪ねてください。

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