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インタビュー

公開日 : 2017 年 11 月 14 日
更新日 : 2017 年 11 月 14 日

心臓移植の課題と展望-心臓移植の件数増加に対応するために

心臓移植とは、他の方の心臓を自身の心臓として植え込むことで延命とQOL(生活の質)の向上を目指す治療法です。国立循環器病研究センター病院の移植医療部 部長である福嶌 敎偉(ふくしま のりひで)先生は、長く心臓移植に携わっていらっしゃいます。

近年では、心臓移植における外科医と内科医の連携など、新たな取り組みを始めています。

今回は、国立循環器病研究センター病院の福嶌 敎偉先生に、心臓移植後の治療や注意点、今後の展望についてお話しいただきました。

心臓移植と橋渡し治療:人工心臓の効果

橋渡し治療(Bridge to Transplant: BTT治療)とは?

橋渡し治療(Bridge to Transplant: BTT治療)とは、移植の待機中に、自らの心臓では循環を維持することができなくなった際に、人工心臓などの機械を適応する治療法です。

人工心臓には2種類あります。体外に取り付ける体外設置型と体内に取り付ける植込み型人工心臓です。昔であれば、体外式の人工心臓を取りつけるケースが多かったのですが、承認を受けた人工心臓の種類の増加に伴い、近年では体内に取り付ける植込み型人工心臓の適応が増加しています。

人工心臓は、近年ではなるべく早期に適応することで、その後の治療成績がよくなるケースが増えているでしょう。たとえば、腎臓や肝臓の状態が悪くなった段階で人工心臓をとりつけ、心臓が回復したらはずすというケースもあります。

永久使用の人工心臓の適応にも期待

これまで、人工心臓は、あくまで移植を前提とした治療法でした。しかし、近年、永久使用の人工心臓の臨床試験が開始されています。効果が認められ保険適用になれば、多くの方を救う治療法の一つになる可能性もあるでしょう。

心臓移植後の検査と治療

心臓移植後の検査と通院の頻度

移植後は、月に一度通院していただき、検査を受けていただきます。主に採血や心電図、レントゲン検査などを通して異常がないか確認します。さらに、年に一度は必ず入院をし心筋生検(心臓の組織を採取し調べる検査)を行います。

この心筋生検は、移植後最初の一年間は、一人の方につき年間11回ほど受けていただくことになります。

免疫抑制剤など薬剤治療を適応

心臓移植を受けた方は、複数の薬を一生涯服用することになります。特に、免疫抑制剤の服用は非常に重要です。移植を受けた方は、他の方の心臓が体内に入ることで免疫システムが働き、心臓を攻撃してしまう拒絶反応が起こる危険性があります。このような拒絶反応を防ぐためには、免疫システムを抑制する免疫抑制剤を飲み続けなければなりません。

免疫抑制剤とは別に、感染症を防ぐ薬や、高血圧や糖尿病の治療薬も飲まなくてはいけないケースもあるでしょう。

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