乾癬は、免疫を司る細胞からサイトカインというたんぱく質が異常に分泌されることにより発症します。今回は、横須賀共済病院皮膚科部長、神奈川乾癖患者会相談医などを歴任し、うちだ皮膚科クリニック 院長を務められる内田敬久先生に、乾癬の原因についてお話を伺いました。
私たちの体には、細菌やウイルスなどを体内から排除するために働く免疫システムがあり、好中球やT細胞、樹状細胞などの免疫を司る細胞に異常が起こると、TNFαやIL-17というサイトカイン(たんぱく質)が多量に生産され乾癬を発症します。乾癬患者さんはもともと遺伝的に免疫システムのバランスが崩れやすく、薬や感染症などの増加因子の関与により、乾癬を誘発する場合があります。
乾癬の発症には、生活環境も深く関わっています。ストレスや睡眠不足、喫煙といったものが乾癬を発症する原因となります。また、肥満が乾癬を発症させる要因となることも分かっています。脂肪細胞からアディポサイトカインという生理活性物質が産生されており肥満によりTNFαなどの炎症性アディポカインの産生が増え、アディポネクチンなどの抗炎症性アディポカインが減少し、その結果としてIL-17といった乾癬の発症・増悪に関与するサイトカインが上昇してしまうことも分かっています。そのため、乾癬はメタボリックシンドロームの患者さんに多いといわれています。そして、メタボリックシンドロームの乾癬患者さんは、体重減少により乾癬の症状が落ち着くケースも少なくありません。
乾癬は遺伝病ではありません。しかし、先にも述べたように、乾癬患者さんはもともと風邪や歯性感染症、ストレスやメタボリックシンドロームなどにより、免疫のバランスを崩して乾癬を発症する確率が高くなるといわれています。
乾癬は免疫異常により発症する疾患のため、他者に感染することはありません。しかし、見た目や、感染症である“疥癬”“白癬”と言葉が似ていることから、乾癬を感染症と勘違いしている方もおられます。そのため、乾癬の患者さんはプールや公衆浴場に入ることを拒まれたり、希望する職業を断念するはめになったりすることもあります。「乾癬は感染症ではない」という認識を、もっと多く方々に啓発していかなくはいけないと私は感じています。
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