院長インタビュー

春日井市民病院があるから大丈夫─地域の期待に応えるために変わり続ける春日井市民病院

春日井市民病院があるから大丈夫─地域の期待に応えるために変わり続ける春日井市民病院
渡邊 有三 先生

春日井市民病院 統括顧問

渡邊 有三 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年04月22日です。

春日井市民病院は愛知県春日井市に位置する公立病院です。1998年の新築移転以降、地域の皆さんにより充実した急性期医療を提供することができるように、さまざまな取り組みを行ってきました。たとえば、春日井市医師会と密な連携を取ることで救急患者さんの受け入れや後方支援病院とのスムーズなやり取りなどを実現しました。同院の取り組みや診療、そして統括顧問である渡邊有三先生が実現を目指す地域医療連携ネットワークについてお話を伺いました。

当院は1951年に春日井市民病院として開院し、地域の皆さんの健康を守るために病床や診療科の拡充を行ってきました、当院が現在の地に新築移転したのは、1998年のことです。新築移転したことで、それまでの機能をより充実させ、十分にその能力を発揮できる環境を整えることができたと思います。地域の皆さんからより厚い信頼を得るために、さまざまな取り組みを開始しました。

たとえば、春日井市医師会との連携です。院内には、開放型病床を開設しており、かかりつけ医からご紹介のあった患者さんを当院の医師とかかりつけ医が共同して治療にあたることができます。また、CTやMRIなどの医療機器を共同利用できる体制を取っています。

春日井市民病院 外観
春日井市民病院 外観

建物を新築移転したこともあり、地域医療支援病院の指定をはじめ、各種指定を受けるために尽力してきました。スタッフの努力や春日井市医師会との密な連携もあり、2012年9月に地域医療支援病院の指定を受けることができました。また、2015年に救命救急センターの指定も受け、地域の救急患者さんの受け入れ体制をより充実させています。

地域医療支援病院をはじめとする各種指定を受けることで、地域により信頼される病院となり、地域の皆さんが安心して生活することができるよう、医療の面でのサポートを強化することにつなげていけると思います。

救急・急病診療所入り口を分けて患者さんが受診したい医療機関を選択
救急・急病診療所入り口を分けて患者さんが受診したい医療機関を選択

当院では断らない救急をモットーに24時間救急患者さんを受け入れています。診療時間外で困っているときでも、いつでも医療を受けることができる体制を整えることで、地域の皆さんがより安心して生活することができると思います。

救急患者さんの受け入れの面でも、春日井市医師会と連携を取っています。新築移転した際に、休日・平日夜間急病診療所(総合保健医療センター)を院内に開設し、患者さんの重症度に合わせて治療を受けることができる体制を取ることができました。たとえば、当院では入院治療が必要な二次救急や三次救急の患者さんを受け入れ、休日・平日夜間急病診療所(総合保健医療センター)では、一次救急などの比較的軽症の救急患者さんを診療するようにしています。また、救命救急センターの入り口を同じにし、受付を別々にすることでウォークインの患者さんがご自身で受診したい医療機関を選択することができます。

当院は腎臓疾患に強く、糖尿病の合併症である糖尿病性腎症の治療や、糖尿病そのものの治療に力を入れています。地域のなかには、糖尿病を治療せずに放置してしまい、合併症を持ってしまっている患者さんもいらっしゃいました。そうした背景があり、より糖尿病の診療に特化した糖尿病センターを開設することで、地域の糖尿病診療の充実を図っています。

糖尿病センターでは透析治療はもちろん、透析予防のための指導や糖尿病教育入院を実施しています。腎臓内科、血管外科の医師たちと共同することで予防から合併症まで集学的に診療することができます。

糖尿病センター
糖尿病センター
医師会、歯科医師会との懇談会の様子
医師会、歯科医師会との懇談会の様子

地域の皆さんが安心して医療を受けることができるように、医療連携ネットワークを構築することが重要だと考えています。当院は春日井市の中核病院ともいえます。急性期医療を提供し、市内の回復期リハビリテーションや慢性期医療を提供している、いわゆる後方支援病院と密な連携を取ることで、急性期治療を一段落した患者さんが安心して地域に戻ることができると思います。

また、今後は医師という人材を地域でシェアできる状態にすることで、どの医療機関や介護施設などでも熟練した医師の対応を受けることができるようになると考えています。たとえば、回復期リハビリテーションや慢性期医療に入院している患者さんの容体が急変したときにも、急性期病院の医師を派遣することで、迅速に対応することが叶うと思います。

現在の医療機関同士の連携も重要ですが、今後は医師同士の横のつながりをより強化することで、地域医療を支えていけるのではないでしょうか。現在はそれぞれの医療機関が持っている特徴や強みを発揮し、切磋琢磨しています。それを横のつながりを意識することで、地域全体をひとつの病院に見立てて医療を提供していくような、地域医療連携の実現をめざしています。

渡邊先生

どのようなときでも、地域の皆さんが安心してかかることができる病院でありたいと思っています。何か困ったときには「春日井市民病院が何とかしてくれるから安心だ」という期待に応えることができるように、診療体制や設備の面をさらに充実させていきます。地域の皆さんからの期待に、できるだけの力でお応えいたします。

医師には、診療している患者さんが今本当に必要としている医療は何なのか、見極める能力が必要だと思います。医学部を卒業後の、知識や技術を柔軟に吸収できる期間にどれだけの患者さんを診療してきたかで変わってきます。もちろん、座学で基本的なことを勉強することも大事ですが、医師を成長させてくれるのは、目の前にいる患者さんです。患者さんという教科書から医療を学び、医師として成長していってください。

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