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編集部記事

熱中症の正しい予防対策~発症には環境・からだ・行動が複雑に関係する~

熱中症の正しい予防対策~発症には環境・からだ・行動が複雑に関係する~
井上 陽介 先生

湯沢町保健医療センター 地域家庭診療部 病院管理者

井上 陽介 先生

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熱中症は、高温といった環境下で体温調整の機能がうまくはたらかず、体内に熱がこもってしまうことで発症します。特に小さな子どもや高齢の方、病気にかかっている方は熱中症にかかりやすく、重症になると死に至る恐れもあります。

本記事では、熱中症を防ぐための予防対策をお伝えします。

熱中症の発症には、環境(気温・湿度・気流など)、からだ(体調・性別・年齢・暑さへの慣れなど)、行動(活動の強さ・活動の持続時間・休憩など)の条件が複雑に関係します。そのため、熱中症を防ぐにはさまざまな面から対策を行う必要があります。

熱中症を引き起こす大きな要因となるのが高温環境です。熱中症は例年7月から8月までに起こることが多く、特に梅雨明けで急に暑くなる7月には体が暑さに慣れていないために、熱中症で救急搬送される人や死亡する人が急増します。熱中症対策は暑さを避けることが第一ですが、30℃を超える暑い日だけでなく、気温がそれほど高くなくても暑く感じる日は多めに休憩を取るなどして無理をしないことが大切です。

また、暑くなる前から運動などで汗をかく習慣をつけておきましょう。暑い環境での運動や作業は、開始してから3~4日経過すると汗をかくための自律神経の反応が速くなり、体温の上昇を防ぐのがうまくなっていきます。さらに3~4週間経つと、汗に無駄な塩分が出ないようになり熱中症にかかりにくくなります。

そのほか、衣類にも気を配り、普段から汗を吸収しやすい吸水性に優れた素材の服や下着を着るようにし、炎天下では熱を吸収して熱くなる黒色などの衣類を避けるようにしましょう。

外出時には日陰を選んで歩いたり、日傘や帽子で直射日光を避けたりするようにしましょう。特に身長が低い子どもやベビーカーに乗っている赤ちゃんは、地表面からの熱の影響を受けやすいので注意が必要です。子どもの顔が赤いときや多量の汗をかいているときには、深部体温がかなり上昇していると推察されます。

このような場合には涼しい場所で十分に休ませてあげましょう。また、天気予報などを参考にし、暑い日の外出を避けたり時間帯を考慮したりして出かけるようにしましょう。

熱中症は室内でも起こります。そのため、冷房などを使用して室温28℃を目安に、適切な温度となるようにしましょう。なお、冷房の設定温度を28℃にしても室内が28℃になるとは限らないので、温度計で確認しながら室内温度を調整しましょう。

室内の温度調整には冷房以外に扇風機を使用したり、ブラインド、すだれなどで窓から差し込む日光を遮ったりすることも効果的です。

汗をかくと体内の水分や塩分が失われ、水分補給を怠ると脱水に陥ってしまう恐れがあります。日常生活において、飲料として摂取すべき水分の目安は1日あたり1.2Lとされ、発汗量が多いときにはそれに見合った量の水分補給が必要です。

普段はお茶や水でもよいですが、汗を大量にかいたときにはスポーツドリンクや経口補水液など適度に塩分が含まれた飲料がよいでしょう。また、軽い脱水状態のときには喉の渇きを感じないので、喉が渇く前や暑いところに行く前から水分を補給しておくことが大切です。

なお、アルコールは体内の水分を排泄させてしまいます。そのため、汗で失われた水分をお酒で補給しないようにしてください。

熱中症の予防には、栄養バランスのとれた食事を十分に取ることが重要となります。食欲がないからといって食事を抜いたり、食べる量を極端に減らしたりすると体調が崩れ、熱中症にかかりやすくなってしまいます。また、体調が悪いときには十分に食事ができるまで、暑い場所での活動を控えましょう。

熱中症は、必ずしも暑いからといって発症するものではありません。それほど暑くなくても、体調が悪かったり低栄養状態にあったりするときに起こることもあることから、気温が高い日にだけ暑さ対策を行うのでは不十分といえます。そのため、運動をするなどして体を暑さに慣らす、栄養バランスのとれた食事を十分に取る、体調に気をつけるなど、日頃から対策を心がけるようにしましょう。

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