暑い夏には、熱中症になる方も増えてきます。熱中症の予防・治療にはどのような飲み物が適しているのでしょうか? 日本赤十字医療センター腎臓内科の上條先生に伺いました。
熱中症は「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」と定義されています。つまり、「暑い環境で起こる健康の障害」をまとめて熱中症といいます。
熱中症予防の基本は「水分補給をしっかり行うこと」と「暑さを避けること」です。
この水分補給に関して、単に水分だけを摂ればいいと思っていらっしゃる方が多いかもしれません。しかし、実は水分だけを補給するのではダメなのです。
熱中症では、水分とともにナトリウム などの電解質(一般的には塩)も失われます。ですから、熱中症の予防・処置としては、水分の補給に加えてナトリウムなどの電解質を補給することが大切です。
水分だけを補給した場合、体の中のナトリウム濃度が薄くなり、補給された水分が尿によって体外に排泄されやすくなるのです。また、血液のナトリウム濃度が低下するとけいれんを起こしやすくなります。
そのため、熱中症予防の際・熱中症を疑った際には、塩分と水分が適切に配合された経口補水液を飲むとよいでしょう。
また、飲水量として推奨されるのは、以下の通りです。
上に述べたように経口補水液が熱中症の予防・治療には適しているのですが、普段の生活でなかなか経口補水液を飲む機会は少ないかもしれません。そこで、経口補水液の他に有効な飲み物をご紹介します。
経口補水液がない場合は、市販のスポーツドリンクを飲むのもよいでしょう。経口補水液よりも水分の吸収に少し時間がかかりますが、スポーツドリンクでも十分な水分と塩分を取ることができます。
ミネラル、塩分が豊富に含まれており熱中症の予防に有効です。
1Lの水に1〜2gの食塩に砂糖大さじ 2〜4 杯(20 〜40g)の糖分を加えた0.1〜0.2%程度の食塩水が熱中症対策に適しています。
夏場は特に高齢者に脱水が生じやすく、また脱水に自分では気づきにくいことも多くなっています。
また、お茶などの塩分が少ない飲み物を好む方が多いので、自分では水分補給をしているつもりでもナトリウムなどの電解質が補給されていない場合もあります。例えば、経口補水液などを定時に飲むような習慣をつけることで熱中症の予防につながるでしょう。
また、健康な成人の方でも、下痢や嘔吐、発熱、発汗、経口摂取不足などでいわゆる「夏バテ」を感じた際には、きちんと水分補給をして熱中症を予防することが大切です。
医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血圧内科 客員研究員
日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医日本透析医学会 透析専門医・透析指導医日本腎臓学会 腎臓専門医・腎臓指導医日本高血圧学会 会員
全人的総合的腎不全医療(Total Renal Care:TRC)を推進・普及させるためにアウトリーチ活動を行っている。一人ひとりの腎不全患者が自己管理や行動変容を実現するための教育というミクロなアプローチから、腎不全患者自身がさまざまな治療の選択肢を持てるようにするための社会システム全体の構築というマクロなアプローチも積極的に行っている。
上條 由佳 先生の所属医療機関
石橋 由孝 先生の所属医療機関
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熱中症の後遺症?
2年前の夏に熱中症にかかりました。 数ヶ月くらいだるさがあったのですが治りました。 しかし、それから暑い場所に行くとフラフラしたり、気持ち悪くなったりする事が増えました。 熱中症の後遺症というのはあるのでしょうか?
熱中症、自律神経
8/17日頃食事もとらず、睡眠不足で、最高気温35度の中、日中暑い場所で長時間過ごし、水分も1口ほどしか取らず、夜頃目的地に向かい、涼しい場所に移動しようとした所、その場所が閉鎖されていたことを確認した瞬間、体が内から湧き出るように赤くなり、灼熱感に見舞われ熱中症で倒れてしまい、救急車を呼ぶか迷ったが、コンビニで氷と経口補水液、水、パンなどを買い、近くのトイレで氷を頭からかぶり、水分をとって、全身を1時間ほど冷やし続けた。なんとか意識を戻して家に帰り体を冷やしながら寝たが、部屋が暑かったため、朝起きた瞬間同じ症状に見舞われ、全身が赤くなり内から湧き出るような熱を感じた。外が暑くて外出出来なかったため朝頃病院へ行くと熱中症と診断され冷たい点滴を2500ml打った。次の日からも体の内部から赤いものが出て、それが20日程続いており、熱が下がらない状態。体温は脇から測るので、発症日から37℃程しか熱はなかったが、内部温度は非常に高い状態だった。その後も体調調節が効かず、部屋の温度が1℃上がるだけでも体が真っ赤になってしまったりする。体の深部温度を下げるためには冷たい点滴を打つしかないのでしょうか。サーモグラフィーを使って体の内部の温度を調べたり、改善に向かうしっかりとした治療を望んでいるのですがどうしたら良いのでしょうか。
最近頭痛がひどいです。
先週の土曜から体調が悪く、一昨日に受診して熱中症だと診断され点滴をやりました。 2日間自宅療養していたけど、症状がよくなりません。 まだ頭痛、眩暈、立ちくらみ、腹痛、下痢、手足や首の痛み、最近は幻聴があります。 明日、受診したときに血液検査と尿検査をして結果がでるのですが、他に考えられる病気ってありますか? 最近2ヶ月仕事のことで悩んでいるのですが、ストレスからも考えられますか?
脱水、夏バテや熱中症の対策、対応について。
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