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“肩の高さが違う”“腰のくびれの位置がずれている”――思春期に見つかりやすい特発性側弯症の特徴とは

“肩の高さが違う”“腰のくびれの位置がずれている”――思春期に見つかりやすい特発性側弯症の特徴とは
藤田 順之 先生

藤田医科大学 整形外科学講座 教授

藤田 順之 先生

目次
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側弯症(そくわんしょう)は10歳以降の思春期の女児に多くみられる病気で、なかでも原因が特定されていない特発性側弯症が大多数を占めています。親御さんがお子さんの背中を入浴などの際に目視でチェックすることで、早期発見が可能です。側弯症ではどのような兆候が現れ、発見のためにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

藤田医科大学病院 整形外科教授である藤田 順之(ふじた のぶゆき)先生に、側弯症の特徴や原因、体への影響についてお話を伺いました。

人間には体のちょうど真ん中に、脊柱(せきちゅう)(背骨)というものがあります。脊柱は頚椎(けいつい)7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎1個で構成されていて、横から見ると、頚椎と腰椎は前方に、胸椎は後方に弯曲しています。この弯曲は生理的弯曲といわれます。

側弯症とは、体の中心にある脊柱が回旋(かいせん)(椎体のねじれ)を伴って左右に弯曲している病気です。

診断時は弯曲の大きさをX線画像で見て、“コブ角”という背骨上部でもっとも傾きが大きい椎体と、背骨下部でもっとも傾きが大きい椎体から線を引いて形成された角度を用いて判断し、この角度が10度以上ある場合に側弯症とされます。

MN作成

側弯症の発症時期は乳幼児期(0~3歳)と学童期(4~9歳)、思春期(10歳以降)の3つに分けられ、10歳までに診断された側弯症を早期発症側弯症といいます。まれに体の成長とともに改善する場合もありますが、進行してしまう場合が多いため、側弯症を疑ったら医師に相談し、お子さんの成長に合わせた治療についてしっかり話し合ってください。

なお、脊柱が左右ではなく後方、もしくは前方へ生理的弯曲を超えて弯曲する病気は、それぞれ後弯症、前弯症といいます。高齢の方で胸椎や腰椎が著しく後弯する、いわゆる“腰曲がり”などは後弯症に該当します。

側弯症は何らかの原因により一時的な側弯状態になっている“機能性側弯症”と、脊椎のねじれにより側弯している“構築性側弯症”の2種類に分けられます。

機能性側弯症

脊柱自体はねじれておらず、たとえば「脚の長さが違うことによりバランスを取ろうとして側弯状態になっている」、「ヘルニアなど原因となる何らかの病気があり、痛みを避けるためにしている姿勢のせいで側弯状態になっている」など、靴の高さを調整するといった対応や、原因となる病気の治療により改善される一時的な側弯症です。

脚が痛いなどの理由で整形外科を受診し、X線を撮ってみると背骨が曲がっているように見えるものの、実際にはヘルニアが原因で側弯状態に陥っている、というケースも少なくありません。

構築性側弯症

脊柱そのものが曲がっているので、脊柱に対する治療が必要になる側弯症です。学校で行われる運動器の検診(運動器学校検診)などで側弯症の疑いがあるとされ、整形外科にかかられるお子さんの場合は、構築性側弯症であるケースが多くなります。原因が分かっている側弯症と、原因が分からない特発性側弯症の2種類に分類されます。

構築性側弯症の原因となる病気には、以下のような種類が挙げられます。

先天性側弯症

頚椎や胸椎、腰椎などの脊柱を構成する骨(椎骨)の一部が欠損している、椎骨同士が癒合しているなど、椎骨の何らかの先天的な異常により発症します。一部では遺伝的要因が関係するといわれています。

側弯が急速に進行する場合もあれば、ある程度の角度から進行しない場合もあります。

神経・筋原性側弯症

神経や筋肉の病気が原因で発症する側弯症です。脊髄空洞症(せきずいくうどうしょう)(脊髄の中に脳脊髄液がたまった空洞ができて脊髄を内側から圧迫し、さまざまな神経症状が現れる難病)や筋ジストロフィー(遺伝的要因で筋肉が壊れやすく再生しにくい病気の総称)などがこの種類に分類されます。

側弯の進行が早いケースが多いだけでなく、体の成長が止まった後も進行する場合があります。

神経線維腫症/レックリングハウゼン病

骨や目、神経系などにさまざまな症状が現れる遺伝性の難病で、カフェオレ斑という特有の色素斑や皮膚の腫瘍(しゅよう)などによって診断されます。

側弯が急速に進行するケースが多いだけでなく、大人になってからも側弯が進行することで脊柱が変形し、脊髄が圧迫されて脊髄麻痺になる場合もあります。

間葉系の病気

間葉系の病気とは血管や結合組織が弱くなり、骨格や目、心臓血管などにさまざまな合併症をきたす病気です。代表的なものにマルファン症候群があります。

側弯が急速に進行する場合があるだけでなく、先天的な心臓や大血管の病気を合併していることが多いため、全身の健康状態を把握しておくことが不可欠です。

背骨の骨折などを起因とする側弯症

まれな例ですが、幼少期に交通事故などで背骨を骨折した経験があるお子さんが、成長期で脊椎が伸び始めた際に曲がってしまうというケースもあります。

その他の病気

放射線治療やケロイド、骨系統の病気や代謝の病気、何らかの感染や腫瘍によって側弯症が起こる場合があります。

特発性側弯症の“特発性”とは原因が特定できない、という意味です。すなわち、明確な原因となる病気がない側弯症のことで、側弯症全体の80~85%を占めます。特発性側弯症を発症する年齢の分類の中で、小学校高学年から中学校時代に発症する思春期側弯症がもっとも多いとされています。

統計的には痩せ型の女児に多くみられ、男女比でいえば女性は男性の5~7倍の発症率といわれています。また、遺伝的な要因も関係することがあるため、ご両親や兄弟、姉妹に側弯症の患者さんがいる場合は、発症の可能性が少し高くなります。

多くの場合、本人には自覚症状がほとんどありません。そのため、親御さんがお子さんの体をチェックしてあげることが大切です。その際は、お子さんが上半身の服を脱いだ状態で見ていただくことが望ましいです。

親御さんに注意して見ていただきたいポイントとしては、以下のようなものがあります。

直立状態で体を見るときのポイント

お子さんがまっすぐ立った状態で後ろから見て、左右の肩のバランスや腰のくびれ方に差がないか確認しましょう。

前屈させた状態で体を見るときのポイント

両方の手のひらを合わせて両腕を前に垂らし、膝を伸ばしたまま前屈させます。その際、肩や背中が平坦か、隆起がないか左右に高さの差がないかを確認してください。

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画像:PIXTA

側弯症のお子さんは、背部痛や腰痛を訴える頻度が高いといわれています。また、内臓への負担という面では、コブ角が80度以上と極度に高い場合は肺機能を圧迫し、呼吸機能に影響を及ぼすといわれていますが、そこまでには至らないケースがほとんどです。

また、側弯症の診察ではMRI検査を行うことがあります。この検査によって、先に述べた脊髄空洞症という病気を伴っていることが分かる場合があります。

特発性側弯症の患者さんの脊柱は右に曲がっていることが多いのですが、まれに脊柱が左に曲がっている場合があり、そのようなときには、脊髄に異常がないかMRI検査を行います。

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