院長インタビュー

SCU(脳卒中集中治療室)12床を備え板橋区西北部から埼玉県までの2次救急を担う、高島平中央総合病院

SCU(脳卒中集中治療室)12床を備え板橋区西北部から埼玉県までの2次救急を担う、高島平中央総合病院
福島 崇夫 先生

高島平中央総合病院 脳神経外科 院長

福島 崇夫 先生

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高島平中央総合病院は、東京都板橋区にある病院です。地域の総合病院として多くの診療科を持っているほか、2次救急を担う病院として板橋区を中心に練馬区、北区、さらには埼玉県のなかで板橋区に接する地域にお住まいの方の医療ニーズに応えています。そんな同院が現在提供している医療の内容や今後の展望について、福島(ふくしま) 崇夫(たかお)院長先生に伺いました。

高島平中央総合病院は東京23区の北西部にある板橋区にあり、都営地下鉄三田線西台駅から徒歩5分という好立地にあります。当院の北側から埼玉県南部方面にかけては2次救急(手術や入院が必要な重症の方に対する救急医療)に対応できる病院がないため、板橋区、練馬区や北区、さらには和光市や朝霞市、戸田市といった埼玉県の一部の地域の中核的な病院となっています。当院は、日本最大級の規模を持つ団地として有名な高島平団地に隣接しています。高島平団地は建設後すでに50年が経過しており、住んでいる方々の高齢化が進んでいます。また、板橋区は東京23区のなかでも高齢化率が高い区でもあります。そのような地域の医療ニーズに合わせ、当院は2014年に新築 移転をした際にベッド数を165床から230床に増床し、現在はベッド数235床、13の診療科を持つ総合病院となりました。

病院外観(高島平中央総合病院さまご提供)

当院の特徴として、まず2次救急が挙げられます。ご高齢の方が多い地域では、どうしても脳血管疾患や転倒等の怪我による救急の需要が多くなります。当院では24時間365日対応を行う救急科があり、近隣の救急隊との連携のもと年間約5,000台弱の救急車を受け入れており、当院周辺から埼玉南部方面にかけての2次救急において当院の役割の大きさを自負し、責任を持って対応をしています。

当院は、日本脳卒中学会から一次脳卒中センター(PSC)コア施設に認定されています。この認定を受けるには、24時間365日体制で脳卒中の患者さんを受け入れる施設を持つこと、血栓回収療法ができる医師が常勤で3名以上擁すること、といった厳しい基準をクリアする必要があります。当院は現在脳血管内治療専門医(日本脳神経血管内治療学会認定)が石原隆太郎先生、谷地一成先生、荒井信彦先生の3名、脳卒中専門医(日本脳卒中学会認定)が私と荒井信彦先生の2名を有し、2020年に脳卒中専門の集中治療室(SCU)を開設し2022年9月に7床から12床に増床しています。また短時間での対応を求められる血栓溶解(t-PA)療法、血栓回収療法の症例を豊富に持っていることから、早くから一次脳卒中センター(PSC)コア施設を受け、多くの救急患者さんを受け入れています。さらに、今以上に脳卒中の救急患者さんを受け入れるために2024年の秋には手術室を1床増やす予定です。

脳卒中の患者さんは、いかに発症から短時間で治療できるかが治療のカギを握ります。当院は救急隊員の方向けに勉強会を開き、いわゆる脳卒中A(発症から24時間以内)の患者さんをなるべく短時間で当院に搬送していただくこと、特に脳梗塞症例にはt-PA療法(発症から4.5時間以内)や血栓回収療法を行うには時間的制限があることなどをお伝えし、この地域の脳卒中の患者さんを1人でも多く、迅速に治療できるよう手を尽くしています。

高島先生による血栓回収手術(高島平中央総合病院さまご提供)

当院の整形外科は移転前から当院の強みの1つです。救急への対応はもちろんのこと、日中の診療もスポーツ整形、脊椎外科、関節外科の各科に分かれ、実績ある医師が質の高い医療を提供しています。たとえばスポーツ整形の元島清香先生はオリンピック水泳チームの帯同ドクターでもあり、スポーツ整形全般で豊富な症例実績を持っています。脊椎外科の早川恵司先生は脊椎疾患の治療はもとより、啓蒙にも熱心でメディアの取材も多い先生です。関節外科の角田佳彦先生は関節症のエキスパートとしてさまざまなメディアに登場しています。関節外科では人工関節の手術支援ロボット“CORI”を導入しており、骨切除において精度が高い手術ができるのも当院の強みです。

当院は一次脳卒中センター(PSC)コア施設ということもあり、急性期の脳卒中の患者さんが多くいらっしゃいます。患者さんを診ていて感じるのは、ご本人やご家族がどうこの病気を受け止め、どう向き合っていき、再発予防をしていくか、悩みや不安が尽きないということです。そこで当院は、こういったお悩みを解消するための脳卒中相談窓口を開設しています。ここでは脳卒中専門ナースやソーシャルワーカーを始めとする多職種からなるチームが相談に乗っており、実際に相談される方は大変多く、皆さまから好評をいただいています。窓口では社会保障制度にも精通したスタッフもいるので、経済面のことなども身構えずに相談できると思います。是非ご相談ください。

また、当院で脳卒中の治療を受けられた患者さんには、退院後に外来でリハビリテーションを受けていただいています。その際は生活の注意点などもお伝えし、再発予防に努めています。急性期の病院は、治療後は回復期の別の病院をご紹介するのが現在の通常の医療ですが、当院では脳卒中の発症から回復まで、手厚く診させていただいています。

 

当院のモットーは「心の通う、温もりのある医療」です。しかし当院は急性期病院なので、救急対応など に追われスタッフが常に緊張を強いられています。スタッフが患者さんに対して余裕がなくなってしまわないよう、私はスタッフ同士が話しやすい明るい雰囲気になるようなコミュニケーションを重視しています。たとえば、何か問題が生じたとしてもその日のうちに話し合って再発防止対策を行うなどで解決し、引きずらないようにしました。そういった取り組みを通して、多職種間でも本音で話し合えるようになってきました。結果として院内はとてもポジティブな雰囲気になり、患者さんにとっても遠慮せず、気軽に相談できるようになっていると感じます。この延長線上に、地域の方々に頼りにしていただける中核的な病院、”高中(たかちゅう)”があると思っています。当院は今後も長く地域の方々の健康に尽くしたいと考えています。何かお困りのことがあればぜひ気軽にご相談ください。

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  • 高島平中央総合病院 脳神経外科 院長

    福島 崇夫 先生

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