横浜市戸塚区の独立行政法人 国立病院機構 横浜医療センターは、地域唯一の公的病院であり(2024年1月時点)、急性期病院としての役割と地域医療支援病院としての役割を持つ地域中核病院です。
救急医療と専門性の高い医療を充実させ、地域の方々の健康を支える横浜医療センターの院長 宇治原 誠先生に同院の特徴や地域への思いを伺いました。
当院は現在、診療科33科・病床数490床を擁し、地域周産期母子医療センターや小児救急医療拠点病院、神奈川県がん診療連携指定病院、災害拠点病院などに指定されている地域中核病院です(2024年1月時点)。歴史としては、1943年に戸塚海軍病院として創設され、1949年に国立横浜病院に名称を変更しました。さらに、2003年には国立横浜病院と国立横浜東病院が統合され、国立病院横浜医療センターとして発足し、その後、独立行政法人化が行われ、現在の名称になりました。名称の変更とともに、クリティカルパス*の導入や、地域との連携などにより当院は大きく変革を遂げてきました。特に、クリティカルパスを本格的に導入したこの20年間で、医療の質がどんどん向上していると感じます。
*クリティカルパス……患者と医療者が治療の情報を共有できるよう作成する診療計画書(入院中の予定などのスケジュール表)のこと。
当院は横浜市南西部の救急医療の要として、24時間365日体制で救急の受け入れを行っており、ICU10床、個室4床を含む計20床の専用病床を有しています(2024年1月時点)。救命救急センターでは、日本救急医学会認定の救急科専門医を中心に、脳神経外科や循環器内科など各専門の診療科が協力しながら3次救急医療を実施しています。
また、災害拠点病院として平常時だけでなく非常時にも地域医療を支え、DMAT(災害派遣医療チーム)の活動拠点にもなっています。さらに、母子医療センターを通じて横浜市の母子救急や小児の2次救急医療も担っています。2017年からはドクターカーの運用も始まり、救急救命士と看護師、医師が現場に向かい、より早期からの治療開始が望める環境を整えました。
当院では、全診療科できちんと標準的な医療を行い、さらに救急医療と専門性の高い医療を充実させることで地域住民の皆さんの健康を守ることを重視しています。また前述のとおり、地域周産期母子医療センターとしての役割も担っているため、周産期医療と小児医療の充実も大切にしています。母子医療センターでは、ハイリスクの妊婦さんへの対応も可能であり、陣痛から出産、回復までを同じ部屋で過ごせるLDRを4室備えています。さらにNICU(新生児集中治療室)も併設されており、産婦人科と小児科はもちろん、必要に応じてそのほかの科とも連携を取りながら診療にあたっています。今後も変わらずこの地域で安心してお産を行っていけるよう努めてまいります。
2023年4月からは日本乳癌学会認定の乳腺専門医を招聘し、乳がんの診療にも力を入れています。また、6月には血液浄化センターを開設したので、透析治療においてもいっそうの診療体制の充実を図っていきます。さらに、循環器分野でより高度な治療を行うためのハイブリッド手術室や、より低侵襲な治療を実現するための手術支援ロボットの導入など設備面の強化を検討しています。
当院では“地域医療連携室”を通して、戸塚区・泉区を中心に約600の医療機関に連携パートナーである“登録医”になっていただいています(2024年1月時点)。これにより、急性期の地域医療を基盤として質の高い総合的な専門医療を提供し、関係医療機関と密接な連携を持つ地域完結型医療を目指しています。
また、院内においても職員同士の意思の疎通や情報共有という点を重視し、スムーズに連携を図れるよう努めています。私自身も各部長と一対一で対話する時間を設けるなど、意識や方針をしっかりと共有できるよう努力しています。
地域医療への貢献と地域住民の皆さんの健康増進という基本的な部分はもちろん、“救急医療と専門的な医療”の二本立てで、急性期病院として地域の医療を支えていければと思います。また、“職員が家族に自慢できる病院にする”“働くことを誇れる病院になる”ことを目標としているので、職員が家族に紹介したり、身内に誇れたりするような病院でありたいと考えています。そして、当院の職員はもちろん地域の先生とも良好な関係をつくれるよう、これからも情報発信をしていきます。
今後も地域の皆さんの健康増進に貢献し、ご期待に添い信頼を得られる病院であるべく努力してまいります。