院長インタビュー

患者さんを中心にした、真心のこもった“手づくりの医療”を届ける島田総合病院

患者さんを中心にした、真心のこもった“手づくりの医療”を届ける島田総合病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

目次
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千葉県銚子市にある島田総合病院は、1937年に嶋田医院として開院した80年以上の歴史をもつ病院です。診療科の増科や増床など診療体制を着実に充実させ、1985年には総合病院の認可を取得しました。開院以来、地域の中核的な病院として地域医療を支えてきた同院の役割や今後について、院長の嶋田 一成(しまだ いっせい)先生に伺いました。

外観
病院外観(島田総合病院ご提供)

当院は私の祖父にあたる初代院長が、1937年に銚子市馬場町で“嶋田医院”を開設したのが始まりです。1947年に現在の銚子市東町に移転し、その際に“島田病院”と改称しました。医療法人 積仁会を設立したのが1960年で、1985年に総合病院の認可を取得しています。その後も病棟の新増築や診療科の増設、最新の医療機器の導入など医療体制を充実させ、現在に至ります。

現在の許可病床数は180床(一般)です。開設している診療科は内科、循環器科、心臓血管外科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉(いんこう)科、泌尿器科、小児科、消化器科、呼吸器科、皮膚科、放射線科で、受診される患者さんが多いのは消化器系と循環器系の疾患になります。その他に50床の人工透析室や訪問看護ステーション、予防医学センターなどを併設し、整形・脊髄(せきずい)脊椎外来や消化器(肝・胆・膵)外来、関節症・関節リウマチ外来、痛みコントロール外来などの専門外来も開設しています。

また、銚子市を中心にした地域の救急医療にも取り組んでおり、主に担っているのは1次救急(入院や手術を伴わない医療)と2次救急(入院や手術を要する重症患者への救急医療)です。

当院は、腹部ステントグラフト実施施設*の認定を受けており、心臓血管外科で腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)ステントグラフトを実施しています。腹部大動脈瘤ステントグラフトはカテーテルを用いた治療法の1つで、ステントと呼ばれるバネ状の金属を取り付けた人工血管を格納したカテーテルを用います。当院ではこうした新しい治療法を積極的に導入しており、同治療法以外では下肢静脈瘤に対するレーザー治療なども行っています。また、透析症例や心臓再手術など高リスクな手術も実施しており、良好な成績を残すなど診療経験と実績を着実に重ねています。

*日本ステントグラフト実施基準管理委員会より認定

患者さんが住み慣れた地域でその人らしく、安心して暮らしていただくためには地域包括ケアシステムの推進が欠かせません。そこで当院は地域との連携を強化し、在宅を中心とした医療の充実に取り組んでいます。注力している訪問診療もその1つで、当院は2020年7月に在宅療養支援病院の指定を受けました。

在宅療養支援病院は、在宅療養をされる患者さんのために24時間体制で往診できる体制を整えるなど、緊急時でも必要な医療・看護が提供できなければなりません。当院では計画的な訪問診療に加え、24時間365日体制での往診や訪問看護を実施しており、緊急時にはいつでも入院の受け入れができるようベッドも確保しています。

高齢化が進む銚子市では、高齢者医療の重要性が増しています。そこで当院ではアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を積極的に取り入れ、患者さんやそのご家族の希望に沿った医療を提供できるよう努めています。ACPは患者さんを中心にご家族や知人、医療・介護スタッフが話し合い、患者さんの人生観や希望に沿った医療サービスを提供するための取り組みです。具合が悪くなったときに患者さん抜きで診療方針を決めるのではなく、あらかじめ患者さんから希望を聞いておけば、関わる方全員の満足度や後悔に大きな違いが出るはずです。だからこそACPに取り組むことが重要で、質が高く、そして真心のこもった“手づくりの医療”の提供につながると考えています。

地域包括ケアシステムの推進には、ICT(情報通信技術)を活用した連携システムの構築が欠かせません。そこで当院では情報連携システムの開発を進め、今年(2024年)4月から本格運用を始めました。同システムは当院の診療情報に加え、連携している地域の診療所や介護施設などと相互に情報を共有・利用することができます。また、患者さんとそのご家族とも情報を共有し、必要な情報をリアルタイムで提供することを目指しています。

このシステムが有効に機能すれば、自宅にいても病院に入院しているときのように、医師や看護・介護スタッフと情報を共有できることから、在宅療養に対する不安が軽減されるはずです。システムの本格稼働からまだ数か月しか経過していませんが、ケアマネージャーや介護施設などの登録は着実に増え続けており、加入を希望される患者さんや施設からの問い合わせも多数いただいていることからも、需要の高さを実感しています。今後ますます利用者数が増えることを期待しています。

当院は地域医療を担う病院として、質の高い医療サービスを提供するために研鑽を重ねてきました。また、地域の皆さんから“島田総合病院があるから安心して暮らせる”と思っていただけるように、患者さんの人生観や価値観を重視した“手づくりの医療”を提供するための努力も続けてきました。今後も地域の医療・介護施設などとの連携を強化し、地域包括ケアシステムの一翼を担うべく地域に貢献してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

*病床数や診療、医師、提供する医療の内容等についての情報は全て2024年10月時点のものです。

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