症状
けいれん重積型(二相性)急性脳症では、発症して間もない急性期から、ある程度時間が経過した慢性期にかけて段階的に症状が変化します。
急性期(発症初日)
急性期には、突発性発疹やインフルエンザなどの感染症の発症初期に発熱に伴うけいれん発作を認めます。けいれん発作は多くの場合15分~1時間以上持続します(長時間続くけいれんのことをけいれん重積というので、けいれん重積型の急性脳症と呼ばれます)。一方、まれに短時間で消失することもあります。
また、けいれん発作に続き、多くの場合意識状態が悪化します。
一過性回復期(発症から2〜5日)
発症後2〜5日間は一時的に意識状態が軽快することがあります。しかし、完全に通常どおりの意識状態になるケースは少ない傾向にあります。また、患者によっては一過性回復期を認めないケースもあります。
けいれん反復期(発症から3〜6日)
多くの場合、発症から3〜6日程度たった時期に、体に部分的にけいれんを生じる焦点発作を認めます(急性期のけいれんから間隔をあけてまたけいれんが出現することから、二相性の急性脳症と呼ばれます)。焦点発作の程度は軽微で気付かないケースもあるものの、数日にわたって繰り返されます。
また、けいれん発作の再発と共に再び意識状態が悪化します。
回復期(発症から7日〜2か月)
けいれんの反復期を過ぎると、けいれん発作が消失して意識状態が徐々に改善します。しかし、手足、肩など体の一部が、本人の意思とは無関係に動く不随意運動などを認めることがあります。
慢性期(発症から3か月以降)
慢性期には、不随意運動などはほとんど認められなくなります。しかし、多くの場合、軽度から重度の知的障害や四肢の運動麻痺が残ります。また、意識がもうろうとして全身がガクガクと動いたり、突然手足がビクッと動いたりするてんかん発作を認めることも多い傾向にあります。
参考文献
- 難病情報センター. ”痙攣重積型(二相性)急性脳症(指定難病129)”. 厚生労働省. 2023-10. https://www.nanbyou.or.jp/entry/4513. (参照 2024-02-29)
- 小児慢性特定疾病情報センター. “73 痙攣重積型(二相性)急性脳症”. 日本小児神経学会. 2018-01-31.https://www.shouman.jp/disease/html/detail/11_32_073.html. (参照 2024-02-29)
医師の方へ
「けいれん重積型(二相性)急性脳症」を登録すると、新着の情報をお知らせします