症状
カーニー複合の症状は、通常は20歳前後になってはじめて発症するようになります。認める症状としては、全身各種臓器に発生する良性腫瘍、皮膚の色素沈着などが特徴です。
カーニー複合では、心臓に発生する「粘液腫」を認めることが多いです。粘液腫そのものは良性腫瘍であるため、臓器浸潤を起こしたり転移を起こしたりすることはありません。しかし、粘液腫が存在すると血液の流れが障害を受けることから、心不全を引き起こすことがあります。血行動態が完全に閉鎖をされると、突然死を発症することもあります。また粘液腫の腫瘍本体から破片がはがれ落ち、血流に乗り脳梗塞などの梗塞病変を引き起こすこともあります。粘液腫は心臓以外にも、皮膚やそのほか内臓臓器にみることもあります。
カーニー複合では、内分泌組織にホルモン産生腫瘍を発生することがあります。たとえば副腎において腫瘍が発生すると、コルチゾールと呼ばれるホルモンが大量に産生されるようになり、クッシング症候群を発症することになります。
また脳の一部に存在する下垂体と呼ばれる構造物に下垂体腺腫と呼ばれる腫瘍が発生することもあります。たとえば下垂体腺腫が成長ホルモンを産生する場合には、末端肥大症を発症することになります。ホルモン産生腫瘍に関連して、女性化乳房や思春期早発症などを発症することもあります。
カーニー複合では、皮膚に色素沈着を見ることも珍しくありません。ほくろやしみカスのような皮疹が、口回りや眼の周辺、性器に認められます。また青色母斑と呼ばれる皮疹をみることもあります。
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