治療
ブルガダ症候群の心電図(ブルガダ型心電図)が認められても、全ての人が致死的な不整脈である心室細動を起こすわけではありません。精密検査の結果、心室細動を起こす危険性が低いと判断された場合は、経過観察のみで特別な治療を行わないこともあります。治療を行う場合には、植込み型除細動器(ICD)と呼ばれる医療機器を使用します。また、発作を予防するために生活指導が行われることもあります。
植込み型除細動器(ICD)
心室細動を起こす危険性が高い場合には心室細動による突然死を予防するために、植込み型除細動器(ICD)を心臓に植込みます。ICDは過去に心停止を起こしたことがある人や、心停止に至らなくても心室細動や多形性心室頻拍と呼ばれる危険な不整脈がみられる人には必須とされ、それ以外でも失神の既往がある場合や、近親者に突然死した人がいる場合などは植込みが推奨されます。また、ICDを植え込んでいる人では発作の回数を減らすために、内服薬や点滴薬を併用することもあります。
生活指導
ブルガダ症候群による不整脈の発作は、夜間や早朝、飲酒後や食後に起こりやすくなることが知られています。そのため、禁酒する、満腹になるまで食べないなどの生活上の注意が必要になることがあります。発熱が発作につながることもあるため、発熱時にはすぐに医療機関を受診することが必要です。また、薬の中にはブルガダ症候群を悪化させるものがあるため、かかりつけ以外の医療機関やほかの診療科を受診する際にはブルガダ症候群であることを伝え、処方薬に注意する必要があります。
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