検査・診断
日本ではがん治療後のリンパ浮腫が大部分を占めるため、がん治療後に手足のむくみが生じた場合はリンパ浮腫を疑います(乳がん治療後に腕がむくむ、子宮がん治療後に脚がむくむ、など)。しかし、リンパ浮腫以外にも“むくみ”をきたす病気はたくさんあるため、一般的な内科診察によりリンパ浮腫以外の病気による“むくみ”ではないことを確認します。
ほかの病気によるむくみではないことが確認できたら、リンパ浮腫用の検査を行いリンパ浮腫の診断を確定させます。リンパ浮腫は”リンパの流れが異常となってむくむ病気“であるため、リンパの流れを調べる検査が重要です。脚は健常者でもむくみやすいため、特に下肢リンパ浮腫の診断にリンパの流れの検査は欠かせません。
診察
触診による圧痕の確認や、リンパのう胞、リンパ漏など皮膚の状態を確認します。
血液検査
むくみに関係する内臓(心臓・腎臓・肝臓など)やホルモンの状態を確認します。
CT・MRI
隠れた腫瘍など、リンパや静脈の流れを阻害するような病気がないか、また、患部の水分や脂肪の状態を確認します。
超音波検査
一般的なむくみの大部分はリンパではなく静脈に原因があるため、超音波検査で主に静脈の状態を確認します。
リンパ管造影
上記は全て一般的なむくみに対する検査ですが、リンパ管造影はリンパ浮腫専用の検査で、リンパの流れを直接評価します。国際標準とされるリンパシンチグラフィのほか、近年急速に広まりつつあるICGリンパ管造影などさまざまな方法があり、深い部位を含め全体的なリンパの流れの評価にはリンパシンチグラフィ、浅い部位の詳細の評価にはICGリンパ管造影と用途に応じて使い分けます。
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