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インタビュー

リンパ浮腫に発生する血管肉腫の治療と今後の展望

リンパ浮腫に発生する血管肉腫の治療と今後の展望
光嶋 勲 先生

広島大学病院 国際リンパ浮腫治療センター 教授

光嶋 勲 先生

記事1『リンパ浮腫に対する様々な治療の選択肢』ではリンパ浮腫の最新治療や研究について、スーパーマイクロサージャリーを得意とする光嶋勲(こうしま いさお)先生(広島大学病院 国際リンパ浮腫治療センター教授)にお話を伺いました。本記事では、リンパ浮腫に発生する血管肉腫の治療に関する最新研究や、今後の展望について伺います。

一般的に血管肉腫とは、血管もしくはリンパ管が悪性化したもの(腫瘍)で、おもに皮膚に発生します。リンパ浮腫の患者さんのなかには、リンパ浮腫を発生箇所として血管肉腫ができるケースがあります。リンパ浮腫にできる血管肉腫は免疫不全状態が原因である点において、ほかの血管肉腫と異なります。(以下、本記事ではリンパ浮腫に発生する血管肉腫についてお話しします。)

リンパ浮腫血管肉腫が発生した場合、急激に症状が進行し、患者さんの多くは数年で死亡に至ります。リンパ浮腫に血管肉腫が発生した患者さんの生存例を調査したところ、わずかながら3名の報告がみつかりました。そしてその3例すべての治療過程で、リンパ管静脈吻合手術を行っていたのです。なかには、8年間生存している患者さん(2017年現在)もいらっしゃいます。

実際に血管肉腫が消えた患者さんの血液やリンパ球を調べると、抗がん免疫が活性化していました。つまり、リンパ管静脈吻合手術により、抗がん免疫療法(本来の免疫機能を回復させることでがんを治療する方法)と同等の効果があらわれたと考えられます。(以上の結果については、2017年現在、研究段階にあります。)

1970年代から免疫の詳しいメカニズムが解明され、1990年代以降、がん免疫療法が登場するなど、医療における免疫学は目覚ましい発展を遂げています。一方、リンパ管静脈吻合手術を行う私たち外科医は、免疫という分野について疎い傾向にあります。

今後、リンパ浮腫の治療において免疫学が重要性を増すでしょう。このような流れのなかで、私たちは免疫学の最新情報とスーパーマイクロサージャリーの最新治療が融合させ、リンパ浮腫に発生する血管肉腫の治療を発展させていく必要があります。

光嶋勲先生

私自身はこれまで、マイクロサージャリーでリンパ管静脈吻合手術を含めて数多くの手術を行いました。現在、これまでのリンパ管静脈吻合手術に関するデータを集計し、リスト化しています。この調査では、がん患者さんのステージ(がんの広がりや進行度を示す分類)や生存期間と、リンパ管静脈吻合手術との関連性を調べています。

現在、2002年頃にリンパ管静脈吻合手術を行った患者さん2名に関して、血液や免疫系を調べています。もしリンパ管静脈吻合手術が抗がん免疫療法と近い効果を示すのだとしたら、この研究結果はリンパ浮腫の治療にとどまらず、がんそのものの免疫コントロールに発展する可能性があります。ひいては、より多くの患者さんを助けることが期待されます。

 

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