らんし

乱視

最終更新日:
2022年12月20日
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2022/12/20
更新しました
2022/10/03
更新しました
2017/04/25
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概要

乱視とは、目の角膜または水晶体の形が歪むことで、ピントが合わず像がぼけて見える状態を指します。

目の構造はカメラと似ていて、角膜(黒目の部分)と水晶体(眼球内の透明な組織)がレンズの役割を、網膜(眼球の奥にある薄い膜状の組織)がフィルムの役割を果たしています。

角膜と水晶体は目から入ってきた光を屈折させ、ピントを合わせるはたらきがあることから、角膜や水晶体が歪んでしまうと1点にピントが合わずピンボケになるのです。

このようにピンボケになるものを総称して“屈折異常”といい、屈折異常には乱視のほかにも近視遠視があり、それぞれで発症の機序が異なります。

また、乱視には角膜や水晶体のカーブが方向によって違うために起こる “正乱視”と、角膜の病気などによる表面の非対称性や不整性のために起こる“不正乱視”があります。正乱視は眼鏡で矯正することができますが、不正乱視は眼鏡やソフトコンタクトレンズでは十分な矯正ができず、ハードコンタクトレンズが必要となります。

原因

乱視の原因は、レンズの役割を担う角膜と水晶体の形が歪んでしまうことにあります。乱視の種類としては“正乱視”と”不正乱視”の2つがあります。

正乱視は、生まれつきや加齢に伴って、本来自然なカーブを保っているはずの角膜がラグビーボールのように縦方向と横方向に対称性に歪み、光の屈折力が縦と横で異なるために焦点を1点に合わせることができません。

乱視のほとんどがこの正乱視です。一方の不正乱視は、円錐角膜といった角膜の病気や角膜移植などの角膜の手術後に、角膜の表面が非対称に歪んだり、でこぼこと不整になったりするために起こります。

症状

軽度の場合には自覚症状はありませんが、乱視が強くなると遠近ともにピントが合いにくくなるため、遠くのものも近くのものもぼやけて見えます。また片方の目で見たときに、ものが二重に見える単眼複視になることがあるほか、乱視は眼精疲労の原因にもなります。

幼少期に強い乱視があると弱視を伴う場合もあります。弱視とは、何らかの原因によって子どもの成長過程で視力の発達が止まり、視力が悪い状態になってしまうことです。

検査・診断

乱視の検査では、ケラトメーターという器械を用いて角膜のカーブの状態を調べます。また、角膜形状解析装置で正乱視か不正乱視かを確認します。

そのほか、目の状態を詳細に把握するために、視力検査や眼圧検査、眼球運動検査などの一般的な眼科検査も行われます。

治療

乱視の場合は、眼鏡やコンタクトレンズで矯正する治療が基本となります。幼少期の強い乱視に伴うことが多い弱視に対しても眼鏡による矯正が基本で、併せて目をたくさん使う訓練を行います。

矯正具による治療

正乱視に対しては円柱レンズ(円柱を縦方向へ垂直に切断した形のレンズ)が組み込まれた眼鏡を装用します。多くの場合、円柱レンズによって矯正することができます。乱視用ソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズでも矯正可能です。

一方の不正乱視においては眼鏡やソフトコンタクトレンズでは十分な矯正ができず、ハードコンタクトレンズによる矯正が必要になります。

手術

手術では、角膜にエキシマレーザーを照射し角膜の形状を変化させて矯正する場合がありますが、角膜形状が安定していることを確認する必要があります。術式には角膜の表面を切除して形を変える光学的角膜表層切除術(PRK)や、あらかじめ角膜表面にフラップ(角膜の蓋)を作ってからレーザーを照射するレーシック(LASIK)などがあります。不正乱視に対してはカスタム照射を行うことで矯正できる場合がありますが、あまり強い乱視の場合は矯正困難なこともあります。また、合併症で偏心照射やケラトエクタジア(医原性角膜拡張症)が生じると、逆に不正乱視が強くなることもあります。長期経過にて近視や乱視の戻りが生じることがあります。手術を受けるときは角膜を削るという“不可逆的な”治療であること、合併症のリスクを理解しておく必要があります。

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