屈折矯正手術として日本国内で実施されている手術は、大別してエキシマレーザー手術と有水晶体内レンズ手術です。どちらの手術も眼鏡やコンタクトレンズに比べれば歴史が浅いものの、確実に進歩を遂げています。
この記事では、国際医療福祉大学三田病院眼科教授・鈴木雅信先生に、屈折矯正手術の進歩、そしてこれからの屈折矯正手術について解説していただきます。
角膜を削ってピントを合わせるLASIKやPRK手術ですが、実は屈折矯正手術の歴史自体は意外に古いものです。ソビエト連邦(現在のロシア共和国)のフィヨドロフ博士がRK手術を実用化した頃から、屈折矯正手術は進歩を続けています。RK手術とは、角膜を放射状に切開して屈折矯正する方法です。のちにアメリカの医師が技術を学び、手術が広がっていきました。日本では、フィヨドロフ博士がRK手術を普及させるよりも以前に、角膜にメスを入れる屈折矯正手術を開発し、実際に行っていたものの、結果が芳しくなかったこともあり普及しませんでした。
その後エキシマレーザーによるPRK手術が開発され、さらに、フラップ(ふた状の角膜)を用いるLASIKが開発されました。また、LASIKをさらに改良したReLExが開発され、患者さんの負担がより少なくなっています。
近年の屈折矯正手術の進歩を考えるうえで、特筆すべき手術はICLでしょう。ICLとは、「眼内コンタクトレンズ手術」「有水晶体眼内レンズ挿入術」などとも呼ばれる手術ですが、眼内にソフトレンズを挿入する手術です。LASIK以上に鮮明で自然な視力を獲得できるメリットがあり、乱視も同時に治すことができます。
このように手術法が進歩した理由は、生体に親和性が高くタンパク質が付着して濁ることがおきにくいレンズが開発されたことや、3㎜程度の切開でレンズを眼内に移植できる術式が確立したことが大きいといえます。
屈折矯正手術は、開発時当初はメスによる切開を行っていましたが、エキシマレーザーの実用化によって、より安全・確実に手術する方法が生まれています。
PRKではレーザーで角膜上皮を除去し、その後角膜をレーザーで削って角膜の厚さを調整します。LASIK(レーシック)では角膜にフラップ(ふた状の角膜の組織)を作り、角膜の内部にレーザーを照射して角膜を削った後、フラップを戻します。
SMILEと呼ばれる手術も進化した屈折矯正手術の一つです。SMILEは、LASIKやReLExと違い、角膜を薄く削ったフラップ(ふた状の角膜)を作りません。角膜の周辺部を2~3ミリ切開し、レンズ状に切り出した角膜を除去し、角膜全体の厚さを調整する手術法です。LASIKやReLExは、一定の頻度で術後にドライアイが起きますが、SMILEはドライアイが起きにくいことがわかっています。
また、LASIKは、スポーツをされる方や外傷が起きやすい仕事をしている方は慎重に実施しなければなりませんでした。これに対し、SMILEはフラップを作らない手術のため、患者さんの社会的な制限が起きにくいメリットがあります。
有水晶体内レンズ手術においては、眼球内を流れる房水の流れを妨げないよう、虹彩に穴を開ける必要がありました。しかしレンズの中心に穴を開けたHole-ICLは、レンズの穴から眼球内の房水が流れるため、以前の眼内レンズ手術のように虹彩に穴を開ける必要がありません。術後の白内障もおこりにくくなっています。
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ICL(眼内コンタクトレンズ)を検討しています
両目の裸眼視力0.1でICL(眼内コンタクトレンズ)手術を検討しています。 手術費用も比較的高価のため、可能な限り多くの情報を収集したいと考えています。 つきましてはICL手術のメリットならびにデメリット(術中・術後含め)を教えていただきたいです。 どうぞよろしくお願いします。
目が見えにくいのですが合うメガネが作成できません。
左目が近視と乱視 右目が遠視と乱視 乱視の傾きは左右で真逆になっています。 最近またメガネが合わないのか見えにくさを感じていますが、どう伝えたらわからず、的確に表現も出来ずに困っています。 ほとんど毎年のように限界を感じて新しいメガネを購入しています 20歳〜視力が下がり始め、もう長い間何軒もの眼科やメガネ屋を巡ってもしっくり来ないのでとても辛いです。 (そこまで視力が変わるのは余りないと医師に言われましたが) 調子の良い時は現在使用しているメガネで大丈夫なのですが、ダメな時は風邪薬の瓶等に記載の使用量を読むことも大変になります。 眼科や眼鏡屋さんでの検査は、穴があいてる方向は?という検査や、ひらがなを読む検査をレンズを調整しながら行うというものを受けています。 しかしレンズを強くしても弱くしても変わらず「どちらのレンズでも1.0見えていますよ」等と言われます。 医師には私の目の状態(遠視と乱視、近視と乱視という左右差?)が眼精疲労が起こりやすく、調子良い悪いに影響しているのではないかと言われました。 こうして新しいレンズを購入しても、日によって細かい文字を読もうとすると滲んだようで見えにくく、その文字を解読しながらという読み方で、その日によってというのが1ヶ月のうち半数以上であり、とても目が疲れます。 この滲んだような見えにくさは一定の距離を離れものを見ようとしたり、ある文字が小さいものを読もうとすると現れます。 視力検査では問題ありませんと言われても見えにくい状態、どう伝えたら検査方法を変えてくれる等、合うメガネを作ることが出来るのでしょうか。
片目のみ老眼??
10年以上前のことになります。 左右の目の、モノの見え方に違和感が出始め、眼科を受診。いろいろ検査をしたが両目とも異常ナシでした。 しかし、自分自身としてはどうしても違和感が拭えず、なんだろう?とー 〜裸眼の場合〜 「両目:右目のみ”借りモノ”を使用しているような使いにくさ(重さ)がある。文字など細かなものを見ると(左目に合わすので)かすんでしまう。(右目に合わすと、近眼左目が対象物から離れてしまうので見えにくい) 「左目のみ:細かなものがよく見える。近くが見やすい」 「右目のみ:文字など細かなものは少し離さないと見えづらいだけで、あとは不自由ナシ」 視力検査で、矯正メガネ装着(両目とも普通に近眼と診断されたため、ソレ用のレンズのみで測定)の場合 「両目の場合:モノは見えるが、右目に”より強い”違和感アリ。裸眼よりも辛い!(矯正レンズを外すと楽になる)」 「左目のみ:よく見える」 「右目のみ:よく見える」 眼科で検査してもらったのがこの時が最後です。 あれから年月が経過し、ある程度は老化も進んでいるでしょう。いま一度受診した方がいいのかな?とも考えます。 個人的には「もしかして、”右目のみ老眼”?!」と考えたりもします。片目のみの老眼はあるものなのでしょうか? (ちなみに過去20年ほど裸眼生活です。 就労していたそれ以前はソフトコンタクトレンズ(ハードが合わず)で両目とも0.7前後の矯正をしていました)
今後の視力低下について
昔から視力が悪くこれ以上悪くならないか心配です。現在左右ともに-10Dのソフトコンタクトをつけていますが、乱視も強くこれ以上矯正できるソフトコンタクトレンズがありません。(ハードはあると言われました)今のコンタクトで両目で1.0程度出ていますが、パソコン仕事が多いためこれ以上悪くならないか心配で仕方ありません。 以前、コンタクト購入時医師に同様の相談をした所、これ以上悪くなる可能性はあり最悪牛乳瓶のそこのようなメガネで生活することもあり得ると言われました。 近年大きな視力低下はありませんが、今後も近視は進む可能性が高いのでしょうか? また、眼内コンタクトが強度近視や強度乱視でも対応できると聞きました。怖くて検査に行きたくないのですか難しい手術なのでしょうか。いい病院があれば併せて教えてほしいです。
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