きとうほうひえん

亀頭包皮炎

最終更新日
2023年08月02日
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2023/08/02
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

亀頭包皮炎とは、陰茎の先端部分である“亀頭”と、それ覆う“包皮”の両方に炎症が起こる病気を指します。一方、亀頭のみに炎症が起こる病気を亀頭炎、包皮のみに炎症が起こる病気を包皮炎といいます。

乳児期の男児では包皮が亀頭を覆っているのが普通で、成長にしたがって包皮が翻転(はんてん)(ひっくり返ること)できるようになりますが、包茎の場合は包皮が容易に剥けないために亀頭と包皮の間が不衛生になって細菌が繁殖しやすくなります。

亀頭包皮炎は主に子どもに発症しますが、包茎の成人男性に生じることもあります。細菌が繁殖して炎症が起こると陰茎の先端や全体が赤く腫れて痛みを伴ったり、陰茎の先端からが出たりするようになります。

亀頭包皮炎に対しては主に抗生物質の塗り薬または飲み薬を用いて治療します。再発防止の観点から、抗生物質による治療の後、包茎に対する治療が検討されることもあります。

原因

亀頭包皮炎の根本的な原因は包茎です。包茎状態では亀頭と包皮が不衛生になりやすく、不衛生な状態が続くと細菌が繁殖して炎症を起こします。

原因菌としては黄色ブドウ球菌や大腸菌、レンサ球菌、疥癬(かいせん)などさまざまです。子どもの場合は、不潔な手で陰茎を触ることが発症リスクを高める要因となり、大人では性行為による小さな傷から感染することもあります。

感染以外では、ラテックス製コンドームや避妊用のジェルなどによるアレルギー反応によって炎症が起こることもあります。

症状

亀頭包皮炎を発症すると、典型的には陰茎先端または全体が赤く腫れ、触ると痛みを感じます。そのほか、かゆみや排尿時に痛みが伴うことや陰茎先端からが出ることもあります。

亀頭包皮炎になると、嵌頓(かんとん)包茎陰茎がんになる可能性が高まるといわれています。適切な治療を受けるとともに、常に良好な衛生状態を保つことが大切です。

検査・診断

通常、陰茎と包皮の炎症を確認することで診断がつきます。糖尿病の有無を調べるために血糖値を測定したり、原因菌を特定するための検査を行ったりする場合もあります。

治療

亀頭包皮炎の治療は抗生物質などを用いた薬物療法が中心です。根本的な原因が包茎にあることから、高度の包茎や再発を繰り返す場合などには包皮翻転を促すための訓練や、手術による包茎の治療が検討されることもあります。

薬物療法

細菌が原因の場合は抗菌薬、真菌が原因の場合は真菌薬というように、原因菌に応じた塗り薬または飲み薬が用いられます。通常、薬物療法によって数日のうちに炎症が治まります。

包皮翻転訓練

子どもの包茎は成長とともに自然に改善することが多いですが、包皮翻転訓練を行うことで早期の改善が期待できます。

方法としては、包皮を陰茎の根本に向かって優しく押し下げ、包皮輪(ほうひりん)(包皮の出口)に緊張をかけながら少しずつ伸ばしていきます。包皮翻転を促す際に軟膏を使用することもあります。適切な方法で行わないと包皮の出血や亀裂、嵌頓包茎などにつながる恐れがあるため、専門医からの指導の下で行うようにしましょう。

手術療法

包茎に対する主な手術方法に、包皮環状切除術と包皮背面切開術があります。いずれも麻酔下で行われ、包皮環状切除術では包皮輪を含む余剰の包皮を環状に切除し、包皮背面切開術では包皮を縦方向に切開して広げることで亀頭を露出させます。

一般的に子どもの包茎には包皮背面切開術、大人の包茎には包皮環状切除術を行います。

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