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いんけいがん

陰茎がん

最終更新日:
2021年01月29日
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2021/01/29
更新しました
2017/04/25
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概要

陰茎がんとは、陰茎に生じた悪性腫瘍(あくせいしゅよう)のことを指します。日本国内での件数非常に少ないことに加え、また大腸がん胃がんと比べて認知度も低いため、発症要因や発症年齢などのデータが不足しています。

また発生部位が陰茎であるため、患者は誰にも相談できずに放置してしまい、進行した状態で受診する方が多いです。日本国内における発生頻度は10万人に0.5~1人程度のため、患者数の少ない希少がんとして扱われます。日本では低い一方で、南米や一部のアジアの国では10万人に10~20人と比較的高いことが特徴です。

原因

陰茎がんの発生要因には主に包茎が挙げられます。陰茎自体を清潔にしていないことが陰茎がんの発生要因だと考えられており、真性包茎の場合、陰茎や亀頭を清潔に保つことが難しいために陰茎がんの発生リスクが高くなります。またウイルス感染や喫煙が陰茎がんのリスク要因とされています。

包茎以外にも人種間によって異なる発生要因があると考えられていますが、詳しいことは分かっていません。ただし一部アジアの国や南米では、国の衛生環境が関係しているといわれています。

またHPV(ヒトパピローマウイルス)感染も陰茎がんの発生要因といわれていますが、こちらも研究段階のため確実に陰茎がんの発生要因とはいえません。しかし原因の何らかの1つではないかと推測されています。

症状

陰茎での腫瘤(しゅりゅう)の形成や、浅いびらん(ただれること)の発生のほかに、隆起した深い潰瘍(かいよう)が見られます。基本的に陰茎がんの初期では痛みなどはありません。

しかし陰茎や下半身には常在菌や大腸菌が多く存在しているため、腫瘍(しゅよう)が細菌に感染しやすいです。感染をした場合には痛みや出血といった症状のほか、陰茎の腫瘍から悪臭を放つようになります。

検査・診断

陰茎がんの検査は視診(目で見て診断する)で病変部の確認をします。また尖圭(せんけい)コンジローマとの鑑別が難しい場合があります。尖圭コンジローマ以外でも陰茎に潰瘍を形成する性感染症や、亀頭が腫れる梅毒や陰茎での感染症の場合も陰茎がんとの鑑別をする必要があるため、組織生検により病変部を顕微鏡などで調べます。

またリンパ節転移や遠隔転移の有無を診断するため、CT検査を行うこともあります。さらに陰茎がんが進行している状態で受診された患者さんにはCTやMRI検査を行い、骨盤のリンパ節の腫れを確認します。

治療

陰茎がんの主な治療方法は、原則として陰茎の部分切除あるいは全摘手術です。包皮、亀頭に限局した小さい表在性腫瘍の場合は、腫瘍だけを切り取る手術やレーザー治療、凍結療法、軟膏塗布などによる陰茎温存も可能ですが、この方法ではがんが残ってしまうリスクがあり、部分切除または全摘手術が推奨されています。

欧米では陰茎に放射線を出す金属を挿入し、内部から放射線をあてる小線源療法や、陰茎を温存する手術が行われています。これらの方法は性機能やセクシャリティを考慮して行われていると考えられますが、日本ではセクシャリティよりがんの根治性を優先する傾向にあり、手術療法以外の治療はあまり普及していません。

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