水腎症とは、腎臓にある腎盂が拡がって、水たまりのようになる症状です。程度が軽い場合は治療の必要はありませんが、重い場合は腎臓への負担を調べる検査が必要です。
腎臓の中でおしっこ(尿)が集まってくる場所を腎盂と言います。腎盂は尿管につながっていて、さらに膀胱へと尿が流れていきます。水腎症とは、腎盂の部分が拡がって、水たまりのようになる症状です。腎盂と尿管のつなぎ目のところが狭いことがおもな原因です。水腎症の程度が軽い場合は腎臓に負担はかからないので、何も治療はせず、定期的に検尿や超音波検査だけを行います。程度が重い場合は、尿の流れが悪すぎて腎臓に負担がかかっていないかを診るための検査(レノグラム)を行います。症状によっては手術が必要になることがあります。また、膀胱尿管逆流を伴うことがあるので、尿路感染症に注意する必要があります。
(東京女子医科大学医学部 腎臓小児科 講師 三浦 健一郎先生)
夜尿症(おねしょ)は普通は成長とともに治っていきますが、生活全般への悪い影響を考えると、5~6歳を過ぎても治る傾向になければ、積極的に治療することが望ましいでしょう。
夜尿症(おねしょ)とは、夜寝ているあいだにおしっこ(尿)をもらすことです。膀胱の容量が小さいことや、夜間に尿を濃くする力が弱いこと、眠りが深いことがおもな原因です。腎臓病や糖尿病などが隠れていることもあります。夜尿症は普通は成長とともに治っていきます。しかし、心理的なストレスによって生活全般や精神面、学業面に悪い影響が出たり、10代以降も引き続き治らないこともあるため、5~6歳を過ぎても治る傾向にない場合、積極的な治療が望ましいでしょう。1日の排尿状況を調べたうえで、各種薬剤やアラーム療法による治療が行われますが、かなりの効果があります。本人の治そうとする意欲も大切です。
(東京女子医科大学医学部 腎臓小児科 講師 三浦 健一郎先生)
外陰炎や亀頭包皮炎は、細菌に感染して起こる炎症のため、炎症が起こったところを清潔に保つことが重要です。それでも不十分な場合は、抗生物質の軟膏を使用して治療します。
外陰炎とは外陰部に細菌が感染し、炎症を起こした状態を言います。小さな子どもの場合、おむつかぶれや清潔にする習慣ができていないことが原因で外陰炎を起こすことがあります。思春期以降は性交渉によるものも考える必要があります。治療としては、まず清潔を保つことを心がけ、それでも不十分な場合は抗生物質の軟膏を使用します。
亀頭包皮炎とは包皮と亀頭のあいだに細菌が感染した状態を言います。包皮や亀頭が赤く腫れたり、排尿時などに痛みがあったり、膿みが出ることがあります。治療は、清潔に保つことと、抗生物質の軟膏を塗ることです。症状が強い場合には飲み薬の抗生物質を使用する必要があります。
(東京女子医科大学医学部 腎臓小児科 講師 三浦 健一郎先生)
包茎とは、包皮をむいて陰茎の先端を露出することができない状態を言います。排尿時の問題がなく、亀頭包皮炎もくり返さなければ、とくに治療の必要はありません。
包茎とは、包皮をむいて陰茎の先端を露出することができない状態を言います。赤ちゃんの多くが包茎ですが、病気ではありません。幼稚園児や小学生になっても、包茎の状態が続くことがよくありますが、基本的には治療の必要はありません。無理に包皮をめくる動作をくり返すことによって、かえってくっついてしまい、包茎がひどくなる場合もあります。また、包皮が元に戻らなくなって亀頭の部分の血流が悪くなり腫れ上がってしまう場合(嵌頓包茎)もあります。衛生管理に気をつけていても亀頭包皮炎をくり返す場合や、排尿時に最後まで包皮がプクッとふくらんでしまう場合は、ステロイド軟膏による治療を行います。
(東京女子医科大学医学部 腎臓小児科 講師 三浦 健一郎先生)
標準成長曲線上で、平均よりも-2SD(standard deviation:標準偏差)以下の場合を指します。多くの場合は体質的なものですが、まれに脳腫瘍など命にかかわる病気の場合もあります。
低身長は、身長が標準成長曲線上で、平均よりも-2SD以下の身長の場合、すなわち、100人中2~3番目よりも小さい人のことを言います。低身長は、統計学的な定義であり、病気ではありません。しかし、病気により低身長になることもあります。とくに、成長速度が遅れてきている場合には、病気の可能性が高くなります。病気のなかには、ホルモンの分泌異常によるもの、染色体の異常によるもの、全身の骨の病気によるものなどがあります。ホルモンの分泌異常の場合には、脳腫瘍によることもあります。治療は、病気に応じて行いますが、ホルモン分泌不全の場合には、ホルモンの補充を行えば、成長率の改善が期待できます。
(帝京大学医学部附属病院 小児科 講師 磯島 豪先生)
肥満とは、体脂肪が増えすぎた状態で、肥満度が20%以上のものを指します。多くは食べすぎなどが原因ですが、内分泌や先天性の異常による症候性肥満もあります。
肥満とは、標準体重と比べて体重が増えすぎており、体脂肪が増加した状態を指します。肥満度(%)は{実測体重−標準体重}÷標準体重×100で計算でき、20%以上が肥満となります。肥満は、遺伝や今かかっている病気(内分泌や神経学的な異常)が原因で起こる「症候性肥満」と、食べすぎや運動不足が原因で起こる「単純性肥満」に分けられます。肥満の90%を占める「単純性肥満」では、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っていたり、夜遅く食べるためにエネルギーをためやすい生活を送っていることが多いため、生活習慣を見直して改善するようにします。「症候性肥満」では、原因を見つけて、その治療を食事療法とともに行います。
(医療法人社団保健会谷津保健病院 小児科 部長 塚田 日出樹先生)
※この記事は2012年当時の情報に基づいて記載しております。
関連の医療相談が10件あります
目眩、浮遊感、頭痛、身体の痛み、疲労感
1年前から偏頭痛あり、近医内科でトリプトファン処方され頓服対応。ここ半年以上は内服なく経過。疲労時に症状悪化の自覚あった。 今回は2-3週前から疲労感取れず、週末の休息では回復せず。 頭痛、肩こり、臀部から腰、足の痛み、手の痛み痺れがありストレッチや鎮痛剤(トリプトファン以外にカロナール、ロキソニン、ロキソプロフェン湿布)で対応していたが一時的に症状和らぐも軽快せず。 めまいや浮遊感、気持ち悪さも併せてあり、悪化している印象。 このまま様子をみてよいのかもしくは受診が必要なのか、かかるのであれば何科にかかればいいのか知りたい。
なかなか痛み吐き気が治らない
9月1日から胃痛がおき、レパミピドとコリオパンとピロリ菌に効果ある薬(名前忘れてしまいました。)を飲んでいたのですがあまり回復せず、9月16日に内視鏡することにし、その時にピロリ菌の検査も致しました。 その日からエソメプラゾールとレバミピドを飲み始め19日に痛みが強く再度受診した際に、CTと採血をしました。 CT採血ともに異常はありませんでした。 ここ数日朝方4時か5時ごろくらいから胃痛が始まり起きてしまいます。 その旨も医師に相談したら、寝る前にロキソニンを飲むことを推奨され昨日寝る前に飲んでみたのですが今日も痛みで起こされてしまい、吐き気と痛みが強いです。 精神的なものから来てるのか、ただ逆流性食道炎によるものが強いのか分かりません… 仕事に行けないなどの支障があるので、どうにかしたいのですがこのまま同じクリニックで診てもらったほうがいいのか、または別の大きな病院行った方がいいのか心療内科にかかったほうがいいのか分かりません。 どうかご参考までにご意見聞かせて頂けましたら幸いです。
憩室炎、通院治療の際の推奨される食事内容と別の食事の質問
5日前の夜に右下腹部の違和感があり、4日前から痛みが出ている状況です。 同じような症状は3ヶ月ほど前にもありその際は抗生物質で治った経験があります。 3日前に内科受診、抗生物質を処方される(最寄りの消化器内科が休みのため内科受診) 2日前の夜に痛みがかなり増す。 昨日の朝に痛みがピークになったため消化器内科受診。そこで点滴治療を受けたのと外科の紹介状を書いてもらう。 本日外科を受診して検査の結果、憩室炎と言われました。 入院を強く勧められましたが通院治療を選択しております。 点滴治療を昨日から受けており今後も(少なくとも明日以降3日間も)毎日通院で受ける予定です。 前置きが長くなりましたが、このような状況で推奨される食事内容はどういったものでしょうか? また別の質問で、痛みがかなり酷くなった2日前の昼にバイキングで普段より食べすぎていたのですが、これは痛みが酷くなったのと関係ありますでしょうか? 以上となりますがよろしくお願いいたします。
体重の大幅な低下症状の原因は
私の長男(50歳、会社員)の相談です。本人は昨年の8月ごろより、徐々に体重の減少がみられ、最近では、約8kg(現在58kg) も低下しており、外見上もはっきり痩せているのが判り、大変心配しています。本人は、最近、胃の検査(バリュームおよびピロリ菌) をしましたが、まだ結果はきていないとのこと。1か月前ごろから、咳がよくでていましたが、現在は出なくなっていますし、食欲は 極端なことはなく、夕食は食べていますが、朝食はあまりないとのこと。コロナ感染拡大時、一時、家族に疑いがあり、対処しましたが 結果的には、感染はしていませんでした。ワクチンは推奨分は打っています。よろしくお願いします。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「水腎症」を登録すると、新着の情報をお知らせします